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『鬼滅の刃』上弦の壱・黒死牟 月の呼吸、規格外の刀が強すぎる…!

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、十二鬼月のひとりである上弦の壱・黒死牟(じょうげんのいち・こくしぼう)について解説します。黒死牟は元人間で、鬼狩りでもあったのです。黒死牟が人間を捨て、鬼になってまで手に入れたかったものは何だったのでしょうか。

  • ネタばれ注意

『鬼滅の刃』上弦の壱・黒死牟とは

 黒死牟は、十二鬼月の上弦の最高位で上弦の壱。6つの眼を持つ侍のような出で立ちをした鬼です。強さを求める性格で、上弦の参である猗窩座(あかざ)に「入れ替わりの血戦」を申し込まれて倒した時も、その強さを見込んで食わずに見逃しました。「入れ替わりの血戦」は、十二鬼月の間で行われ、勝ったものは相手の地位を手に入れることができる戦いです。

 無限城の決戦で、霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう)を始めとした4人の鬼殺隊員と戦っています。黒死牟の人間時代は、鬼殺隊の前身である鬼狩りの一員でした。鬼であるだけでなく、速度や攻撃力を底上げする呼吸法を身につけていたため柱3人がかりでも苦戦を強いられます。

黒死牟が使う「月の呼吸」と刀

月の呼吸とは

 黒死牟が使う月の呼吸は、継国縁壱(つぎくに・よりいち)が編み出した日の呼吸(ひのこきゅう)をアレンジしたものです。

 一回剣を振ると、その軌道の周りに細かい刃が付いてきます。三日月のような形をしたこの刃は常に大きさを変え、回避の難易度を跳ね上がらせました。天才剣士・時透無一郎もこれには対応できず手首を失っています。

 黒死牟の使っている刀の名は「虚哭神去(きょこくかむさり)」。無数の眼が付いていて長くすることができ、さらに三つの刃が生えてくる刀です。

月の呼吸 型・技一覧

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮(いちのかた やみづき・よいのみや)

 大きく真横に薙いだ一撃に、三日月型の刃がいくつも付いて避けにくくなっています。この技を受けて時透無一郎は左腕を失いました。

月の呼吸 弐ノ型 珠華ノ弄月(にのかた しゅかのろうげつ)

 巨大な三日月の形をした斬撃が黒死牟の背後から発生し、無数の小さな三日月が後から追いかけてきます。岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)はこれで顔面を傷つけられました。また、この型は刀が折られて再生している間でも放てるようです。

月の呼吸 参ノ型 厭忌月・銷り(さんのかた えんきづき・つがり)

 巨大な三日月型の攻撃が3つ放たれます。付属する三日月が多く、形も大きいため強力な攻撃となります。

月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦(ごのかた げっぱくさいか)

 刀を振るうことなく出せる技です。斬撃は大きなものが3つ、黒死牟の周囲を囲むように放たれ、その周りに小さな三日月の刃が付属します。風柱・不死川実弥(しなずがわ・さねみ)に対して繰り出されました。

月の呼吸 陸ノ型 常夜孤月・無間(ろくのかた とこよこげつ・むけん)

 爪でひっかいたような縦の斬撃が黒死牟の前方に広がります。この大きな斬撃も、方向や角度が不規則なため避けにくく、不死川実弥に重傷を負わせました。

月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え(しちのかた やっきょう・つきばえ)

 変化した刀で使う技で、前方に5つの衝撃波が襲いかかっています。これまでとは違う速さの攻撃でした。

月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾(はちのかた げつりゅうりんび)

 龍の尾という名前のように、攻撃は動物の曲がった尾に似た軌道を描きます。さらにターゲットの方向には、龍の背中から生えたトゲのように攻撃が伸び、さらに回避しにくくなりました。

月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面(くのかた くだりづき・れんめん)

 上からいくつもの攻撃が降ってきます。「連面」というように、いくつもの攻撃が襲い、捌ノ型 月龍輪尾のように不規則なトゲが伸びています。

月の呼吸 拾ノ型 穿面斬・蘿月(じゅうのかた せんめんざん・らげつ)

 蘿月とは、ツタカズラに当たる月光の影のこと。 くるくると巻き付いてくるツタカズラのように、地面を削りつつ回りながら襲ってくる攻撃です。

月の呼吸 拾肆ノ型 兇変・天満繊月(じゅうしのかた きょうへん・てんまんせんげつ)

 繊月とは、ごく細い月のことです。 天に満ちる細い月という名の通り、いくつもの攻撃が繰り出されました。美しい名前ですが、攻撃力が高い技です。

月の呼吸 拾陸ノ型 月虹・片割れ月(じゅうろくのかた げっこう・かたわれづき)

 上から割れた月のような攻撃がいくつも落ちてきて複数の相手を狙います。攻撃は弧を描く上、小さな刃のせいでさらに避けることが難しくなりました。

『鬼滅の刃』月の呼吸・型一覧 当たり判定がエグい最凶の技

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、月の呼吸(つきのこきゅう)について解説。上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)が使います。三日月のようなエフェクトにも当たり判定がある最強の技です。

黒死牟が欲した継国縁壱の力

 黒死牟の人間時代の名前は、継国巌勝(つぎくに・みちかつ)といいます。

 戦国時代に生まれた巌勝には、縁壱(よりいち)という双子の弟がいます。当時、双子は不吉とされたため、兄弟は引き離されて育てられます。兄である自分とは異なり、父から冷たく扱われ、将来もない縁壱を巌勝は哀れんでいました。

 ところが縁壱は天才的な剣の腕を持っていたのです。それは7歳で初めて竹刀を握った時、巌勝の師を失神させたほどでした。巌勝は、家を継ぐ権利が自分から弟に移るのではないかと絶望します。

 しかし、縁壱は剣にも跡継ぎにも全く興味を示さず、母の死とともに家を出て行きました。それから10年が過ぎ、巌勝は妻や子供にも恵まれます。ある時、巌勝は鬼に襲われ、部下が命を落とします。巌勝は、縁壱に命を救われたのです。

 縁壱は子供時代よりもさらに優れた剣の腕と、優れた人格を身につけていました。それを巌勝は嫉妬。家族を捨てて自らも鬼狩りになり、縁壱の教えを受けましたが腕は遠く及びませんでした。縁壱の「日の呼吸」は使えず、それをまねた「月の呼吸」しか扱うことができなかったのです。

 絶望していた巌勝に、痣(あざ)が出現します。痣が出た鬼狩りは、例外なく25歳までに命を落とす運命にありました。寿命が残されていないことに焦る巌勝の前に現れたのが、鬼舞辻無惨です。

「ならば鬼になれば良いではないか」 「鬼となれば無限の刻を生きられる お前は技を極めたい 私は呼吸とやらを使える剣士を鬼にしてみたい」

 鬼になれば、無限に技を極めることができる……無惨に付け入られた巌勝は鬼になったのです。

黒死牟と時透無一郎の関係

 黒死牟には人間だった頃、結婚し、子供を授かりました。その子供たちの子孫が時透無一郎です。「継国」の名は絶えてしまいましたが、才能は受け継がれ、無一郎は若くして柱になりました。

 無一郎と初めて出会った時、黒死牟は自分の子孫だと見抜きます。さらに、上弦の鬼を前にして瞬時に動揺を鎮めた胆力や、若くして練り上げられた剣技に驚嘆します。

「我が末裔よ あの方にお前を鬼として使って戴こう」

黒死牟は血を与え、無一郎を鬼にしようとしますが、間一髪で玄弥が阻止します。続いて実弥も駆けつけ、無一郎は鬼化をまぬがれます。

黒死牟の最期

 痣を出した悲鳴嶼と実弥の連携に追い詰められた黒死牟は、刀を巨大化させて刀身から3本の刃を生み出します。さらに激しくなる攻撃に悲鳴嶼と実弥も近づくことができません。危機を感じた玄弥は、黒死牟の刀を飲み込みます。

 一方、かろうじて動ける無一郎は悲鳴嶼と実弥の力を借りて攻撃をかいくぐり、黒死牟の体に刀を突き立てます。動きが鈍った黒死牟を、上弦の鬼の力を得た玄弥が銃で撃ちました。銃弾は黒死牟の体に入り込み、弾が種になって成長するように根を張って動きを止めます。

 黒死牟は、死に際の縁壱と戦ったことを思い出しました。そして、縁壱が老衰で亡くなったため生き延びられたことと、その屈辱の記憶もよみがえります。思わず叫ぶ黒死牟の体から衝撃波がほとばしり、辺りにいた4人を襲いました。

 それでも、無一郎は刀を放しません。最後の力で刀を握りしめると刃が赤くなり、鬼に大ダメージを与える赫刀(かくとう)へ変化します。

 玄弥は最後の力を振り絞って血鬼術を使い、黒死牟を拘束。そこに襲いかかっていた実弥と悲鳴嶼の攻撃で黒死牟の頸が落ちました。

 しかし、頸の弱点を克服していた黒死牟は倒れません。頭を再生し、さらに攻撃しようとする黒死牟の視界に、実弥の刃が入ります。その刀身に映されたのは、6つの眼に2本の角を持ち、背中から触手が生えた醜い自分の姿でした。

「兄上の夢はこの国で一番強い侍になることですか?」

 黒死牟の記憶に、幼い時の弟の言葉がよみがえります。

侍の姿か? これが…これが本当に俺の望みだったのか?

 迷いが生まれ、さらに無一郎につけられた傷から、体が崩れ始めます。自分はただ縁壱になりたかった、何も手に入れることができなかったと後悔しながら、黒死牟は消えていきました。

黒死牟に関連するキャラクター

(マグミクス編集部)

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