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『ガンダム』不幸をもたらした「罪深い」女性キャラたち 悪気がないから厄介?

1979年から現在に至るまで多くの作品がつくられ、壮大なサーガとなった「ガンダム」シリーズ。そのなかでも物語を大きく左右する存在として、女性キャラクターがいます。彼女たちは時には運命の女として、時には悪女として描かれ、物語に深い影響を与えてきました。今回はなかでも特に「ヤバい」3人の女性キャラクターをご紹介します。

『ガンダム』シリーズ屈指の強烈個性を持つ女性キャラたち

OVAシリーズ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に新作カットを追加し再編集した劇場版『機動戦士ガンダム0083‐ジオンの残光』のキービジュアル(C)サンライズ
OVAシリーズ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に新作カットを追加し再編集した劇場版『機動戦士ガンダム0083‐ジオンの残光』のキービジュアル(C)サンライズ

「ガンダム」シリーズには色々な意味で強烈な女性キャラクターが数多く登場します。今回、なかでも物語に大きな影響を与えた3人を紹介します。

●ムーンレィスと地球の戦争のきっかけを作った戦犯

 ひとり目は『機動戦士∀ガンダム』からムーンレィスのMSパイロット、ポゥ・エイジです。彼女の犯した罪は、「ガンダム」シリーズで最も重い罪のひとつかもしれません。

『∀ガンダム』の舞台は宇宙世紀よりもはるか先の遠い未来。自然が回復した地球にはかつての文明は残っておらず、二度目の産業革命を迎える前の長閑な時代です。そんな時、遥か昔に荒廃した地球から月に移り住んだ人類の子孫であるムーンレィスが、地球帰還作戦を開始します。

 科学技術が退化した地球人類よりも圧倒的に優位な立場にあるムーンレィスですが、戦争を避けるため、地球側の権力者と折衝を繰り返し、地上に降下する日時まで通達します。つまり月と地球の偉い人同士の話はある程度のレベルでついていたといえます。

 ところが空から異形の巨人(ウォドム)が降りてくるのに恐怖した地球の飛行機乗りは、無謀にも機銃で攻撃を仕掛けました。彼らはムーンレィスのことなど何も知らされていないのだから当然の反応です。

 銃撃を受けたポゥは機銃程度ではびくともしない超科学のマシーンの中にいるにもかかわらず、恐怖のあまりメガ粒子砲を発射。対艦ビームが飛行機をなぎ倒し、平和な街を吹き飛ばしました。こうして平和のうちに地球に帰還するはずだったムーンレィスと地上は戦争状態に突入したのです。ポゥの放ったメガ粒子砲がその後の大混乱のきっかけでした。

●ひとりの少年の心に深い傷を残した少女

 ふたり目は映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』からクェス・パラヤ。多感で情緒不安定気味なニュータイプの少女ですが、パイロットとしての才能をシャアに利用されてしまいました。クェスに惹かれたハサウェイは彼女を危険から遠ざけようと戦場の真っ只中に飛び込み、クェスが操るMA「α・アジール」に取りついて必死に説得します。

 しかし危険な兵器に取りついて、無謀な説得を繰り返すハサウェイの身を案じたチェーン・アギはミサイルを発射。クェスはハサウェイをかばってミサイルの直撃を受けます。クェスの死を目の当たりにしたハサウェイは感情を爆発させてビームライフルを乱射、チェーンを射殺してしまいました。

 この出来事はハサウェイに大きな影響を与え、遂には地球連邦政府の高官を狙う環境テロリスト「マフティー・ナビーユ・エリン」へと変貌させました。クェス自身が悪意を持っていたのではなく、彼女の未熟な情動と衝動的な行動が周囲を巻き込んでハサウェイを狂わせたのです。

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