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『鬼滅の刃』あまね様の魅力・4つのポイント 美しく聡明、神秘的な「白樺の木の精」

『鬼滅の刃』に登場する産屋敷あまねは、鬼殺隊をまとめる産屋敷家の第97代当主・産屋敷耀哉の妻です。美しく神秘的な容姿から、「白樺の木の精」とも表現された、あまね様の魅力を4つのポイントから探っていきます。

お館様の心に惹かれ、結婚を決意

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

『鬼滅の刃』に登場する「あまね様」こと、産屋敷あまねは、鬼殺隊をまとめる産屋敷家の第97代当主・産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)の妻です。発する言葉は少なくとも、冷たさを感じさせるわけではなく、むしろ穏やかで神秘的な空気をまとっています。白髪と大きな黒い瞳の美しい容姿から、作中では「白樺の木の精のよう」とも表現されています。

 この記事では、出自やお館様との出会い、能力など4つのポイントから、あまね様の魅力を探っていきます。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

●穏やかで落ち着いた、透明感のある声

 原作マンガでのあまね様の初登場は、「無限列車編」の最後に、炎柱・煉獄杏寿郎の殉死をお館様が知らされるシーンです。「寂しくはないよ 私ももう長くは生きられない 近いうちに杏寿郎や皆のいる…黄泉の国へ行くだろうから」と、つぶやくお館様に寄り添う姿が描かれています。劇場版アニメの「無限列車編」では、オリジナルシーンとして追加された冒頭のお館様との墓参りシーンで登場。「お館様、これ以上はお体に障ります」というセリフも聞くことができます。

 アニメであまね様の声を担当するのは、『美少女戦士セーラームーンCrystal』の火野レイ(セーラーマーズ)役や『とある魔術の禁書目録』の御坂美琴役、『劇場版 ヴァイオレット エヴァーガーデン』のリュカ役などで知られる佐藤利奈さんです。声優としてのみならず、ラジオのパーソナリティや歌手としても活躍する彼女の穏やかで落ち着いた雰囲気をまとった透明感のある声は、あまね様の魅力のひとつとなっています。

●出自とお館様との出会い

 あまね様の旧姓は、神籬(ひもろぎ)です。「神籬」の意味を調べると、「神事で、神霊を招き降ろすために、清浄な場所に榊さかきなどの常緑樹を立て、周りを囲って神座としたもの。のちには、神の宿る所として室内・庭上に立てた、榊などの常緑樹もいう。」(デジタル大辞泉 (C)Shogakukan Inc.)とあり、代々神職の家系の生まれであるあまね様にふさわしい苗字と言えます。

 鬼の始祖である鬼舞辻無惨を一族から出してしまったことにより、産屋敷家には子供が育たずに死んでしまうという呪いがかけられていました。その鬼を倒すことに心血を注ぐことでなんとか一族の血筋をつなぎ、子供の寿命を少しでも延ばすためにと代々神職の一族から妻をもらうことが一族のしきたりでした。

 そのしきたりに従い、お館様が13歳、あまね様が17歳の時に見合いをします。その時、彼女を思いやり、「貴女が嫌なら私からこの話は断ります」というお館様の言葉に、あまね様は結婚を決意したそうです。

「遊郭編」では上弦の鬼を倒したという報告に病の身を起こし、血を吐きながらも歓喜するお館様の側には、支えるあまね様がいます。お館様が激しくむせると、子供たちに湯をわかし、薬と手ぬぐいの用意を素早く、的確に指示する姿も描かれており、ただただ付き従うだけの存在ではなく、あまね様の芯の強さや指揮力も見ることができるでしょう。さらに、あまね様には珍しく、「早く!!」と鋭い声を出しているところは、愛する人を失いたくない一心と見受けられ、お館様への深い愛情を感じることができます。

●神秘的な力で無一郎を助けた!?

 お館様に寄り添い、ともに行動している印象の強いあまね様ですが、ひとりで行動するときもあります。時透無一郎とその兄・有一郎を探し出し、彼らを鬼殺隊に勧誘に行った際、あまね様はひとりでした。

 当時、時透兄弟が住んでいた「景信山(かげのぶやま)」は、東京都八王子市と神奈川県相模原市との境界にある山で、標高は727.1m。山頂からは関東平野や丹沢、奥多摩、そして、富士山などの眺望が期待でき、ハイカーには人気が高い山です。

 現在では初心者向けのハイキングコースとされる景信山ですが、着物の女性が登るのはそれなりに大変だったでしょうが、あまね様は有一郎に暴言を吐かれ、追い返されても、何度も足を運んだようです。

 そしてある日、あまね様は、鬼に襲われて絶命した有一郎とひん死の無一郎を発見します。屋敷に運ばれた無一郎は、看病の甲斐あって一命をとりとめたものの、記憶を失いますが、自らを鍛え上げ、わずか2か月で柱にまで上りつめました。

 ここで気になるのは、無一郎を救出した時の様子です。最初に兄弟の家を訪ねた時、あまね様はひとり。しかし、救出の際には、あまね様とふたりの娘の姿があるのです。あまね様は、断片的な予知夢を見ることがあったと言われているので、もしかするとこの時も、予知夢に導かれ、娘ふたりを連れて時透家を訪れたのかもしれません。

 また、あまね様は、お館様と5人の子供たちの息災を祈り、雪の降る寒い日にも、水を浴びて穢れを落とし禊祓(みそぎばらい)を欠かさなかったと言います。このような神秘的な力と献身的な行動もまた、あまね様の魅力です。

●最後の最後まで最も近くでお館様を支えた

 刀鍛冶の里での戦いの後に開かれた柱合会議では、病状の悪化によって参加できなくなったお館様の代理として、あまね様が会議を取り仕切ります。今後の見通しから、痣の発現についてなどを柱たちに説明するなど、非常に聡明で、鬼殺隊の歴史にも深く通じていることを感じさせ、その姿に恋柱・甘露寺蜜璃は「あまね様 素敵」とキュンとときめくほどです。

 このシーンでは、蜜璃の言葉に言葉を失う、あまね様のギャグ顔を見ることができるので、アニメ化が楽しみなシーンと言えるでしょう。

 そして、ついにお館様が無惨と対峙した際には、病の進行によって失明していたお館様に無惨の様子を冷静かつ克明に伝え、最後の最後まで最も近くで支えたのでした。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(山田晃子)