ずっと見ていたい『ゴールデンカムイ』のイケてるバディたち ジジイ同士の絆も泣ける
映画界でもドラマ界でも、もちろんマンガ界でも、バディ(相棒)ものは人気ジャンルですが、なかでも人気マンガ『ゴールデンカムイ』はバディの宝庫です。最強バディの杉元とアシリパさんの他にも、まだまだ、味わい深いバディたちがたくさんいます。
バディの数だけ物語がある

先日、ドラマ『相棒』に初代相棒の寺脇康文さんが復帰すると報じられ、ファンを大喜びさせましたが、そんなバディ(相棒)ものは各界での大人気ジャンルです。マンガ界では、完結してなお話題の『ゴールデンカムイ』がバディの宝庫でした。最強バディ筆頭はもちろん、主人公の不死身の杉元とアシリパ(リは小文字)さんコンビで、お互いを信頼しきった言動の数々には、胸が熱くなったものです。この記事では他にもいる、『ゴールデンカムイ』の胸アツなバディたちをご紹介します。
※この記事には、まだアニメ化されていないエピソードの記述も含まれていますのでご注意ください。
●「勃起」魂で結ばれた年の差バディ 谷垣&チカパシ
元第七師団の兵士で東北マタギの谷垣源次郎と、アイヌの少年・チカパシは、年齢差はありながらも熱い思いで結ばれたバディです。キーワードは「勃起」。これはそもそも谷垣が、刺青囚人で猟師の二瓶鉄造から受け継いだ魂のこもった言葉でした。二瓶はそこに猟師としての「たぎる気持ち」を込めていましたが、谷垣はむしろ「決意」の言葉として捉えていたようです。兵士のままでいるか、マタギに戻るかの2択に答えを出したとき、谷垣は自分に言い聞かせるように「勃起!!」と発しています。
そして天然痘で家族全員を亡くしたアイヌの少年・チカパシは、マタギの谷垣に憧れて旅をともにするうちに、家族のような愛情と勃起の意味を教わります。勃起とは「自分を奮い立たせて戦う」ことなのだと(もちろん生理的な意味も……)。
そんなふたりの熱い関係が最も色濃く描かれたのは、谷垣たち旅の一行が樺太を離れるときでした。樺太アイヌの少女・エノノカと仲良くなっていたチカパシに、樺太に残って本当の家族を作るように言う谷垣。そこで彼は、ひとりの男として自分の人生を歩いて行くことこそが「勃起」なのだと示唆するのです。「ひとりで立つ… これも勃起だね?」というチカパシの名言、涙なくしては読めない感動シーンでした。
ちなみにチカパシの名前はアイヌの言葉で「陰茎を立てる」、つまり「勃起」を意味します。アイヌは魔除けのために、子供にあえて珍妙な名前をつけますが、これはまたとない勇壮な名前なのかもしれませんね。