「京アニ」製作の劇場版『響け!ユーフォニアム』 BS12で放映、部活の思い出が蘇る?
京都アニメーションが製作した『響け!ユーフォニアム 』は、吹奏楽部を舞台に、多彩な人間模様を描いた作品です。さまざまな個性を持つ部員たちが集まり、ハーモニーが生まれる様子がドラマチックに描かれています。文化系の部活経験者はもちろん、体育会系出身者も「こんなことあったなぁ」と魅了されるのではないでしょうか。
吹奏楽部を舞台にした熱い青春ドラマ
夏休みももうすぐ。夏休みといえば、学生時代に部活動で練習に明け暮れた思い出を持つ人も、多いのではないでしょうか。体育会系の部活だけでなく、文化系の部活も、なかなかハードな夏休みを過ごすようです。
京都アニメーション製作の『劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』(2019年)は、そんな文化系部員たちの熱い青春の日々が描かれています。京都府宇治市出身の作家・武田綾乃さんの小説「響け!ユーフォニアム」シリーズが原作となっています。武田さん自身、中学時代に吹奏楽部に所属していたそうです。
2015年、2016年に京都アニメーションによってTVアニメ化されており、劇場版も『劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』(2016年)、『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』(2017年)、さらにスピンオフ作『リズと青い鳥』(2018年)が公開されています。
劇場版第4弾となる『-誓いのフィナーレ』ですが、過去作を観ていなくても充分に楽しめる内容となっています。2022年7月10日(日)のBS12「日曜アニメ劇場」にて夜8時から放映される、『-誓いのフィナーレ』の見どころを紹介します。
人間関係の調整に追われる主人公・久美子
主人公は北宇治高校2年生、吹奏楽部に所属する黄前(おうまえ)久美子です。担当は柔らかい音色が特徴的な金管楽器のユーフォニアムです。それまでは弱小部だったのですが、前年度に全国大会出場を果たし、1年生部員の勧誘にも成功しました。2年連続での全国大会出場を目指し、みんな張り切っているところから物語は始まります。
率直な性格の久美子は、低音パートの1年生部員たちの指導係に選ばれます。吹奏楽は一体感が重要です。久美子はパート練習だけでなく、部員間の人間関係の調整にも追われることになるのでした。
地元のあがた祭りやプールに出かけても、久美子は部活のことが気になって仕方ありません。1年生のなかでもいちばん厄介なのが、久美子と同じユーフォニアム担当の久石 奏(かなで)です。奏は礼儀正しく、演奏もうまいのですが、副部長である3年生の夏紀との相性がよくありません。
コンクールが迫り、部内オーディションが行なわれますが、奏はわざと下手な演奏を披露します。奏よりも演奏力の劣る夏紀がオーディションで外されると、部内の雰囲気が悪くなると考えたのです。そのことに気づいた夏紀は激怒します。1年生と3年生との板挟みになる久美子でした。
楽器演奏のリアリティに加え、成長途上にある高校生たちの揺れ動く心理を、TVシリーズから引き続き担当した石原立也監督が繊細に描いているのも本作の魅力となっています。