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「Switchは性能が低い」はホント? ゲーム機に求められる本当の価値

ゲーム業界に限った話ではありませんが、都合のいい部分だけ切り出し、一方を貶めるような意見を見かけることは多々あります。昨今では「Switchは低性能」と論ずるコメントも見かけますが、本当にSwitchの「性能」は低いのでしょうか。

「性能が低い」批判が的外れワケ

ライバル機と比べられることが多いNintendo Switch
ライバル機と比べられることが多いNintendo Switch

 2017年3月に発売開始し、今も多くのユーザーから支持されている「Nintendo Switch」(以下、Switch)。6年目に突入しながらも、『スプラトゥーン3』や『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』など、まだまだ魅力的なタイトルが控えており、その人気ぶりは改めて説明するまでもありません。

 もちろん、ゲーム機の特徴はそれぞれで違うため、方向性が合わなかったり、興味が湧かない場合もあるでしょう。その時は、相性の合わないゲーム機とは距離を取り、心惹かれるゲーム機で楽しめばいいだけです。

 しかし、自分が好まないゲーム機を声高に否定する声は、昔も今も変わらずに持ち上がります。加えて、インターネットの普及やスマートフォンの広がりなどにより、そうした声を目にする機会はぐっと増えました。

 特にSwitchについては、「性能が低い」と揶揄する意見も見かけます。ですが、この否定は実のところ正確さや公平性に欠けており、その発言のみではあまり意味を成していません。これはSwitchに限った話ではありませんが、性能を評価するには対象の価値を全体的に見定める必要があるためです。

 果たしてSwitchは、一部から批判されるように本当に「低性能」なのか。Switchが持つ性能や特徴について、わかりにくい専門用語を極力避け、カジュアルなユーザーの視点から注目してみましょう。

●ゲームを遊ぶ機器の選択肢が、大きく広がった現代

 ゲームが遊べる機器といえば、家庭用ゲーム機以外にも、パソコンやスマートフォンなどがあります。そしてどの機器でも、ゲームを遊ぶ上で重要になるポイントは、ゲームデータを処理し、それを映像として画面に表示する性能──本記事では、これらを一括して「処理性能」と呼びます。

 この「処理性能」ですが、パソコンの場合は千差万別。やや乱暴な物言いになりますが、高価なほどパーツの性能が良くなるので、お金をかければかけるほど「処理性能」が高いパソコンになります。ノートパソコンの場合も、ユーザー側のカスタマイズ性が低いだけで、基本的には価格と性能は正比例です。

 これはスマートフォンやゲーム機も同様で、バリエーションが複数ある場合でも、高いほどもしくは新しいほど、処理性能は上がります。ただし、スマートフォンやパソコンは、ゲーム以外にもさまざまな機能があるため、ゲーム機と単純に比較はできません。

「色んなことができるパソコンやスマホ」と「ゲームプレイに特化したゲーム機」では、方向性に大きな隔たりがあります。そのため、「スマホvsPS5」などで論じる人はあまりいません。ここに比較を持ち込んでも意味合いが薄い、と捉える方が多いのでしょう。

 一方、同じカテゴリーのなか──ゲーム機ならば、ゲーム機同士──での比較は頻繁に行われています。無論、比較自体は何ら問題ありませんし、それぞれの機器を正確に把握するのは素晴らしいことです。

 しかし、「性能」と「処理性能」は似て非なるもの。その点を疎かにし、「Switchは性能が低い」と断じる行為には、ひとりのゲームファンとして違和感を覚えます。

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