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ジャンプの因縁深すぎる師弟対決3選 勝っても素直に喜べない切なさも見どころ

師匠と弟子が戦う師弟対決は、立場や思惑などさまざまな背景があり、とてもドラマチックに盛り上がる展開です。時に弟子が師匠を超え、時に師匠が弟子に力を見せつける。そんな、マンガの熱い師弟対決を紹介します。

たとえ道具として見られていたとしても師匠は師匠

ヒュンケルとミストバーンの戦いも描かれているアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』キービジュアル (C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (C)SQUARE ENIX CO., LTD.
ヒュンケルとミストバーンの戦いも描かれているアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』キービジュアル (C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (C)SQUARE ENIX CO., LTD.

 修行パートも多い少年マンガでは、これまでさまざまな「師弟関係」が描かれてきました。なかには弟子が別の道を歩み始め、時に師匠とぶつかり合うこともあります。その結末がどうであれ、多くの師弟対決には、過去からの因縁とドラマが盛りこまれていました。今回は「週刊少年ジャンプ」作品で盛り上がった、師弟対決を振り返ります。

※この記事には、各作品のネタバレが含まれています。マンガを未読の方はご注意ください。

●ヒュンケルVSミストバーン『ダイの大冒険』

 まず、因縁深い師弟対決といえば、『ダイの大冒険』のヒュンケルとミストバーンの「闇の師弟対決」が挙げられます。ふたりの最初の対決は、ミストバーンが鬼岩城を操って世界会議を襲撃した時でした。この戦いで、ミストバーンから教わった暗黒闘気の技を捨て、光の闘気の技「虚空閃」を使えるようになったヒュンケル。しかし、素顔を暴かれそうになったミストバーンが反撃し、追い詰められます。ダイが駆けつけたことで決着は持ち越されましたが、ヒュンケルがアバンとはまた別の「闇の師」と決別した戦いでした。

 二度目の対決は、ヒュンケルが大魔王バーンに敗れて囚われの身となり処刑されそうになった時です。ヒュンケルは、ミストバーンからの「自身の暗黒闘気を受け入れろ」との誘いに乗ったフリをして、逆に暗黒闘気を抑えこんで光の闘気を爆増させます。ヒュンケルはあふれる光の闘気で、ミストバーンに痛手を負わせますが、この戦いでも決着はつきませんでした。

 そして、この師弟対決は、バーンパレスでの最終決戦で決着します。暗黒闘気の生命体だったミストバーンは、大魔王バーンの体を操っていました。彼はヒュンケルを、バーンに体を返した後の代替ボディとして使うために育てていたのです。予定通り、ヒュンケルの体に侵入したミストバーンでしたが、その狙いに気づいていたヒュンケルは、ため込んでいた光の闘気で、ミストバーンを完全に消滅させました。

 この戦いはミストバーンを倒した後のヒュンケルの表情が、どこか哀しそうだったのが印象的です。道具として利用されていただけだと分かっていても、「師」に対して思うところがあったのでしょう。

●氷河VSカミュ『聖闘士星矢』

 80年代を代表する大人気マンガ『聖闘士星矢』にも、印象深い「師弟対決」がありました。星矢たち青銅聖闘士(ブロンズセイント)たちが、アテナの命を救うため、十二宮の頂上を目指す「十二宮編」で、白鳥星座(キグナス)の氷河と水瓶座(アクエリアス)のカミュが、熱すぎる、いや冷たすぎる対決を繰り広げたのです。

 7番目の天秤宮で、師匠であるカミュと対峙した氷河でしたが、この時はカミュに手も足も出ませんでした。そしてカミュは、仮死状態にした氷河を強固な氷のなかに葬りました。その後、天秤座の聖衣と仲間のおかげで仮死状態から復活した氷河は、究極の小宇宙(コスモ)・セブンセンシズに目覚め、11番目の宝瓶宮で再びカミュと戦います。

 ともに氷の聖闘士である氷河とカミュの戦いは、どちらが究極の凍気「絶対零度」により近づけるかの勝負でした。最後は、絶対零度を身につけた氷河が、カミュの最強技「オーロラエクスキューション」の撃ち合いを制して勝利しています。

 この師弟対決は、カミュが命を賭けて氷河を絶対零度の領域まで導いた戦いでした。「常にクールであれ」と言いながらも、最期まで弟子を想っていたカミュの優しさが切なくも熱い名勝負です。

【画像】ジャンプ以外でもまだまだ多数!師弟対決が描かれたマンガ(5枚)

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