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主人公が苦戦した「凄腕パイロットチーム」たち 強過ぎなのはスタッフの設定ミス?

ロボットアニメで主人公をおびやかすベテランパイロットは、よくゲストで出演することがあります。特にチームを組んで連携を得意とする部隊は、強敵として印象的な活躍を見せることが多くありました。

「黒い三連星」だけじゃない! 精鋭ぞろいの戦闘プロフェッショナル

『太陽の牙ダグラム』において、各基地からの選りすぐりのエースパイロットによって編成された「24部隊」のメンバーが操縦した「ソルティックH8RF ラウンドフェイサー コーチマSpl.」。画像は「HI-METAL R ソルティックH8RF ラウンドフェイサー コーチマSpl.」(BANDAI SPIRITS)
『太陽の牙ダグラム』において、各基地からの選りすぐりのエースパイロットによって編成された「24部隊」のメンバーが操縦した「ソルティックH8RF ラウンドフェイサー コーチマSpl.」。画像は「HI-METAL R ソルティックH8RF ラウンドフェイサー コーチマSpl.」(BANDAI SPIRITS)

『機動戦士ガンダム』(1979年)の敵キャラのなかでも人気の高い「黒い三連星」のガイア、オルテガ、マッシュ。劇中、抜群のチームワークで主役機であるガンダムに乗るアムロ・レイを苦しめたベテランパイロットたちです。このようにロボットアニメでは、主人公を苦しめるベテランパイロットのチームが登場することがよくありました。

 この黒い三連星の魅力はいくつかありますが、個人的には「同一機体に乗った戦いのプロ」。……といったところが目を引きます。同じく「ガンダム」シリーズでは、『機動戦士Ζガンダム』(1985年)で正式名称はないもののヤザン・ゲーブルの率いる「ハンブラビ隊」、『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)の3機のジャムル・フィンによる「ジャムルの3D」などが印象的でした。

 このようにロボットアニメでは、若きパイロットの主人公を圧倒するベテランパイロットチームはよく登場していました。そこで個人的に印象深かった、主人公を苦しめたベテランパイロットチームを紹介します。

 最初は『太陽の牙ダグラム』(1981年)から「24部隊」です。劇中の最強部隊かもしれません。本来はデロイア星の首都カーディナルを防衛するため、各地から集められた精鋭を集めたチームでイメージカラーは青。特注の軍服はもちろん専用の輸送機まで持っているエリート軍人のチームです。

 隊長のブリンク大尉以下、ラッド、テニスン、バレルの4人編成のチーム構成になっていました。乗機はコンバットアーマーの「ソルティックH8RF ラウンドフェイサー コーチマSpl.」。地球連邦軍の主力機である「ソルティックH8 ラウンドフェイサー」の改良型です。

 外見上の差異は背中のターボザックと、それから動力ケーブルで接続されたアームリニアガンだけですが、細部にわたって改良を施され、ダグラムと同じXネブラ対応の高性能機にまで性能がバージョンアップされていました。

 そして、初登場ではダグラムが所属する勢いに乗るゲリラ陣営を圧倒するも、様子見ということであっさりと撤退していきます。その次のダグラムとの戦いでも4機を並べて1機に見せるというフォーメーションで翻ろうしました。ここまでの戦いで圧倒的な実力差を見せつけます。

 本作では正攻法でここまでダグラムを苦しめた例はあまりなく、当時観ていた筆者もどうやったら勝てるかまったく予想できませんでした。しかし、その方法は簡単だったのです。いわゆる自滅でした。

 決戦で他の機体も大量に導入されたことで、連邦軍はよりにもよって各部隊の指揮を24部隊のメンバーに個別で任せてしまいます。個々でも強い24部隊のメンバーでしたが、この采配は明らかに凡ミスでした。24部隊はこれによりフォーメーションを使うこともできず、ゲリラ陣営の小回りの利いた攻撃で個別に撃破され、最後に残ったブリンクとバレルもダグラムの前に敗れます。

 ちなみに24部隊がバラバラに行動した理由に関しては劇中では触れられておりません。筆者の想像ですが、あまりに強力な敵に設定したため、こんな形でしかダグラムが勝てるビジョンが浮かばなかったのではないか?とすら思いました。それほど24部隊の実力は飛び抜けていたイメージがあります。

【画像】強すぎ! 「凄腕パイロットチーム」の愛機ロボットを見る(3枚)

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