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主人公が苦戦した「凄腕パイロットチーム」たち 強過ぎなのはスタッフの設定ミス?

状況にあった戦い方を見せるベテランの妙技

『聖戦士ダンバイン』(1983年)に登場した、クの国のガラミティ・マンガン、ニェット、ダーの3人による「赤い三騎士」。彼らの搭乗機は、クの国が独自に開発したオーラバトラー「ビアレス」の装甲の一部を赤くした特別仕様だった。画像は「ROBOT魂 〈SIDE AB〉 ビアレス(赤い三騎士機)」(BANDAI SPIRITS)
『聖戦士ダンバイン』(1983年)に登場した、クの国のガラミティ・マンガン、ニェット、ダーの3人による「赤い三騎士」。彼らの搭乗機は、クの国が独自に開発したオーラバトラー「ビアレス」の装甲の一部を赤くした特別仕様だった。画像は「ROBOT魂 〈SIDE AB〉 ビアレス(赤い三騎士機)」(BANDAI SPIRITS)

 続いて印象深かったチームは『聖戦士ダンバイン』(1983年)に登場した、クの国のガラミティ・マンガン、ニェット、ダーの3人による「赤い三騎士」です。搭乗機はクの国が独自に開発したオーラバトラー「ビアレス」の装甲の一部を赤くした特別仕様でした。

 キャラデザインを見ると一目瞭然ですが、赤い三騎士は黒い三連星のセルフパロディで、設定書のポーズも同様のものが描かれています。チームの連携技である「トリプラー」は三位一体の攻撃で、こちらも黒い三連星の「ジェットストリームアタック」をほうふつとするものでした。

 その実力はかなりのもので、主人公機ビルバインに乗ったショウ・ザマを気絶させるほどの力を見せます。しかし、結果的に必殺のトリプラーも破られて、どこかで聞いたような「踏んずけてった!?」というセリフを残して敗北しました。

 真面目に考察すると、バイストン・ウェルに転生した黒い三連星という説も考えられます。完全な余談ですが、こういった黒い三連星のパロディは、その後にも多くの作品で見られていました。TVアニメ『焼きたて!! ジャぱん』(2004年)第29話「迫撃!! ブラックジャぱん誕生!」では、黒い三連星そっくりのガイア、オルティガ、マッシュという三人組が登場したことは一部のファンには有名な話です。

 そして最後にご紹介するのが、『機甲戦記ドラグナー』(1988年)に登場した「ゲルポック隊」。メンバーはゲルポック少佐、チェンドル特務少尉、アデン中尉の3人です。搭乗機はギガノス帝国軍のメタルアーマー「ゲルフ」に大気圏内用飛行装備「フォルグユニット」を装着した「MAFFU-08A ゲルフ・マッフ」にゲルポック。火器強化型の「MAFFU-08B ヤクトゲルフ・マッフ」にチェンドル。索敵能力強化型の「MAFFU-08C レビゲルフ・マッフ」にアデンが搭乗しています。

 この役割分担で各機の装備が違う点がこれまでのチームでは見られなかった点で、作品の主人公チームである「ドラグナー遊撃隊」もそうですが、よりリアルに描かれた部分でした。

 このゲルポック隊も独自のフォーメーション攻撃を持っています。「クロスライン戦法」と呼ばれるこの攻撃方法は、各機体の特徴を生かしたもので、チェンドルの砲撃支援とアデンのジャミングで敵の連携を崩し、ゲルポックがコーキング・ガンで相手の動きを封じるというもの。初戦でD-2カスタムを鹵(ろ)獲するという戦果を挙げています。

 しかし、結果的にドラグナー遊撃隊の前に敗れてしまいました。その理由はいくつかありますが、決定的だったのが友軍であるはずのグン・ジェム隊が非協力的だったことです。また、ゲルポック自身も重い病を患っているらしく、たびたび薬剤を吸引している姿が見られました。

 以上、筆者が印象的だったベテランチームです。どうしても主人公側は少年になるので、こういった大人の戦闘プロフェッショナルチームに、いぶし銀のような魅力を感じると思いませんか?

(加々美利治)

【画像】強すぎ! 「凄腕パイロットチーム」の愛機ロボットを見る(3枚)

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