『サザエさん』エンディング曲の「カーン」は何の音なのか? 意外だった異国とのつながり
日曜日の終わりを告げるアニメ『サザエさん』のエンディング。印象的な「カーン」の音はそもそも何の音なのでしょうか?単なる鐘ではなさそうですが……?
地球の裏側にルーツがあった?

アニメ『サザエさん』(原作:長谷川町子)のエンディング曲としておなじみの「サザエさん一家」。曲の冒頭部分や、最後に磯野家が突如として走り出して例の家に収納されたタイミングで「カーン」という音が鳴ります。『サザエさん』の終わりを告げると同時に何十年にもわたり「休日終了」のお知らせとして機能してきたあの「カーン」という音はそもそも何の音なのでしょうか?
調べてみると、これは「ティンバレス」というラテン音楽のパーカッションで用いられる打楽器の音。ティンバレスはスティックを当てる場所で音が変わります。ヘッド(膜)とリム(端のリング)へ同時にスティックを当てる「リムショット」と呼ばれる叩き方をすると、あのお馴染みの「カン」が出るのです。
さらに、このエンディング曲、元ネタ(と思われる)曲があることはご存知でしょうか?アニメ放送が開始される1年前の1968年にリリースされたアメリカのバンド「1910 Fruitgum Company」のデビューアルバムに収録された「バブルガム・ワールド」という曲です。イントロを聴いてみると……これがまた衝撃的なほどにそっくり。
そのまんま「大きな空を眺めたら……」と始まりそうなのです。さらに遡れば「バブルガム・ワールド」という楽曲自体もブラジルの民族音楽「バイヨン」からの影響が指摘されています。数珠繋ぎであっというまに地球の裏側までたどり着いてしまいました。作曲者の筒美京平さんがどこまで意識されていたかはわかりませんが、日本の象徴のような『サザエさん』にまさかラテンのノリが流れていたとは……日曜日の終わりが少しだけ楽しくなりそうです。
(片野)