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『FF』の作曲家って? 経営危機のスクウェア入社時、周りは職探しをしていた!?

メロディラインの美しさの秘訣は「3音縛り」にあった?

美しく生まれ変わった『ファイナルファンタジーIIIピクセルリマスター』画像はスマートフォン版 (C)1990, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. (C)LOGO & IMAGE ILLUSTRATION: (C) 1990, 2006 YOSHITAKA AMANO
美しく生まれ変わった『ファイナルファンタジーIIIピクセルリマスター』画像はスマートフォン版 (C)1990, 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. (C)LOGO & IMAGE ILLUSTRATION: (C) 1990, 2006 YOSHITAKA AMANO

 植松さんの音楽は、なんといっても体の奥底にまで染み入るような切なくも美しい旋律が特徴です。「ファイナルファンタジー」シリーズといえば今でこそ美麗なグラフィックでおなじみですが、初期の頃の単純なドット絵。それでも植松さんの音楽がかかれば物語の没入感がケタ違いに跳ね上がるのです。
 そんな植松さんの楽曲の多くにアルペジオの手法(音を低い方から1音ずつ弾くもの)が用いられています。例えば『ファイナルファンタジー』のオープニング画面で流れる「プレリュード」はその代表例といえるでしょう。ただし、植松さんが得意とするこれらのアルペジオはもともと3和音しか使えなかった制作環境のしばりによるものが大きかったのです。スクウェアとの出会い、そして代表曲の誕生、それぞれが「ひょんなこと」から生まれたのだから驚きです。

 その後、植松さんのご活躍は前述の通り。2004年にスクウェア・エニックスを退社すると、ご自身の会社を設立。世界をまたにかけてオーケストラコンサートなど精力的に活動しています。次はどんな世界に連れていってくれるのか、楽しみです。

(片野)

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