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声優・小林清志さんの「次元大介」につながる重要キャラたち ずっと流れてたテレビCMの声も

惜しまれつつも亡くなられた小林清志さん。『ルパン三世』の次元大介を半世紀も演じ続け、その名前は何世代にも知られることになりました。その演じてきたキャラの名セリフの数々は、今でも耳に残るものばかりです。

ルパンキャラにもっとも適任だったキャリア

小林清志さんがベム役の声を担当した、『妖怪人間ベム』Blu-ray(TCエンタテインメント)
小林清志さんがベム役の声を担当した、『妖怪人間ベム』Blu-ray(TCエンタテインメント)

 先日、声優の小林清志さんの訃報が発表されました。2022年7月30日に肺炎のため、鬼籍に入ったそうです。

 小林さんといえば、その代表作である『ルパン三世』の次元大介のことを思い出す人も多いことでしょう。最初に放送された1971年の第1作から2021年に放送された第6作まで半世紀にわたって演じてきた役ですので当然のことと思います。しかし、小林さんの演じてきた印象深い役は他にも多くありました。その演じてきた数々の魅力的なキャラたちを、次元の歩みと一緒に振り返ってみたいと思います。

 まだ声優という言葉が一般的ではない時代から役者として声の仕事をしていた小林さん。TVアニメの誕生期から色々な作品に出演していましたが、1968年に主演作ともいえるふたつの作品に出演しました。ひとつは『大魔王シャザーン』のシャザーン、もうひとつは『妖怪人間ベム』のベムです。小林さん35歳の時でした。

 シャザーンの魔法を使うときの掛け声「パパラパー」は、当時の子供がよく真似したセリフで、どんなピンチもものともしない頼もしいキャラというイメージです。ベムも、主人公のベロを見守る頼もしい存在という共通点がありました。「早く人間になりたい!」は、世代を超えて知られる名台詞となっています。両キャラとも、小林さんの父性あふれる温かさが声に宿っていました。

 もちろん年相応の父親的存在も魅力的でしたが、ドスの効いた強敵感あふれる役も演じています。それが『巨人の星』のアームストロング・オズマや、『タイガーマスク』のミスター・カミカゼといった主人公のライバル役も印象的でした。

 この流れで演じることになったのが『ルパン三世』の次元だったわけです。もっとも次元は、原作者であるモンキー・パンチ先生が映画『荒野の七人』に出演したジェームズ・コバーンをイメージしたキャラで、そのコバーンを持ち役としていたための指名でもありました。

 そういった点で当時の小林さんの存在感と、製作サイドの次元に対する認識が一致したことが起用の決め手になったのでしょう。それを証明するかのように、パイロットフィルム版から声優が変更になっていないのは次元役の小林さんだけです。それだけスタッフ満場一致の起用だったのでしょう。

 余談ですが、この『ルパン三世』の後番組だった特撮番組『超人バロム1』にも、主人公のひとり木戸猛の父親である木戸燐太郎という役で小林さんは出演していました。珍しい顔出しの役者としての仕事です。39歳だった頃の小林さんの動いている姿を見ることができました。

【画像】声も生き方も乗り移った? 小林清志さんが担当したキャラや作品たち(6枚)

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