「一斉配信」は人気アニメも話題になりづらい問題「ネタバレ」を恐れてSNSから遠ざかり…
近年、新作アニメが動画配信サービスで一斉配信されることが増えています。2022年だけでも『スプリガン』や『TIGER & BUNNY 2』など根強いファンを抱えるタイトルが複数配信されていますが、SNSではあまり話題にはなっていません。果たして一斉配信にはどのような問題があるのでしょうか?
一斉配信の問題点
近年、新作アニメが動画配信サービスで全話一斉配信される事例が増えています。2022年だけでも『スプリガン』や『TIGER & BUNNY 2』など根強いファンを抱える作品が複数配信されていますが、率直に言ってそれほど話題になったとは思えない状況です。なぜ、多くのファンが長年待ち望んだタイトルであるにも関わらず、作品について語る人があまりいないのでしょうか。
その大きな理由として考えられるのが、全話一斉配信の場合、個人ごとに見るタイミングや何話まで見るのかが異なる点です。時間に余裕のある熱心なファンならば、一斉配信が開始されたのと同時に最後までずっと見続けることも可能でしょうが、忙しい日々を送る現代人にとって、アニメをまとめて視聴するのは至難の業です。休みの日に時間を作って一気に見る人もいれば、毎日1話ずつ見る人もいるでしょう。電車での通勤通学中に行きで1話、帰りに1話、合わせて2話を見る人もいるかもしれません。いつどのようにして見るのかを完全に個人の都合に合わせて決められるのは、時間の有効利用の観点から考えれば便利極まりないと言えるでしょう。
しかしながら個人ごとに見るタイミングが違うことは、SNSで話題に出しづらい問題点を抱えています。かつて主流だったTVでのアニメ放送の場合は最も早く放送された地域の視聴者から先んじて感想が出てくることがしばしばありました。その内容にはネタバレが含まれていることもありましたが、仮に内容を知ってしまったとしても1話分でしかなく、放送時間も定まっていたため、意識していれば回避も十分可能でした。
これが一斉配信の場合は事情が一変します。配信開始から半日後には、すべて見終わってしまった方が存在している状態になっているのです。まだ視聴時間が取れない方がたくさんいるのに、自分はもう見終わってしまった。このような状況ではネタバレだと叩かれる危険性を考えれば、感想を書くのは難しいでしょう。