悲劇ばかり生み出した「サイコ・ガンダム」たち ネオ・ジオンに渡った「数奇な運命」も
ネオ・ジオンに渡り『ガンダムZZ』にも登場した機体
●MRX-010 サイコ・ガンダムMK-II
サイコ・ガンダムの実験データをベースに、ムラサメ研究所が開発した後継機が「サイコ・ガンダムMK-II」です。出力は1万9760kWとサイコ・ガンダムの3分の2程度に抑えられていますが、これはミノフスキー・クラフトをシールドに移設したためサブ・ジェネレーターが本体から分離されたのが大きな理由となっています。パイロットはロザミア・バダムです。
武装はサイコ・ガンダムと同様に腹部メガ拡散ビーム砲を3門、さらに機体各部に20門のメガ・ビーム砲、頭部にも小型メガ・ビーム砲を装備しています。前腕部はジオングと同様に射出が可能であり、指先には10門のビーム砲が備えられています。手首を折りたたむとサイコミュ式ビーム・ソードを発生することも可能で、なおかつ大口径ビーム砲としても使用できます。
また、磁気フィールドを用いてビームを反射させる無線誘導端末「レフレクター・ビット(リフレクター・ビット)」も装備していますが、『Zガンダム』本編では使用されず、『機動戦士ガンダムZZ』登場の際にプルツーが使用し、プルの「キュベレイMK-II」を撃墜しています。
サイコ・ガンダムと同様にサイコミュ・システムを搭載しているためパイロットへの負荷は極めて厳しく、第48話で初登場となった際もロザミアの精神は不安定であり、ゲーツ・キャパを刷り込みにより兄と思わせて指示を出すという、変則的な運用が行われていました。
それでもロザミアは指示を受けつけずにはぐれてしまい、Zガンダムと遭遇し交戦。リフレクター・ビットなどの装備を使いこなすことができない状態のロザミアに対し、カミーユは自分を兄と思わせて説得を試みますが失敗、やむを得ず撃墜してしまいます。
破壊されたサイコ・ガンダムMK-IIは漂流中にネオ・ジオンが回収しており、地球連邦/ティターンズの最新技術がネオ・ジオンに渡るきっかけともなりました。その後は修理されてプルツーの乗機となり、ガンダムチームやプルと交戦しています。結果的に『Z』『ZZ』の両作品に登場した数少ないティターンズ製のモビルスーツとなりました。
(早川清一朗)