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悲しいけど戦うっきゃない!マンガの因縁深い兄弟対決3選 対戦直前に血縁判明?

血のつながった兄弟同士の戦いは、多くのマンガで描かれてきました。そして、幼い頃の思い出を共有しているふたりの戦いは、愛と憎しみが混ざり合い、とてもドラマチックに盛り上がります。今回は、そんな因縁深くて悲しい少年マンガの兄弟対決を紹介します。

イタチの悲しすぎる兄弟愛

実の兄・ラオウと戦うことになるトキが表紙の『北斗の拳 究極版』第7巻(徳間書店)
実の兄・ラオウと戦うことになるトキが表紙の『北斗の拳 究極版』第7巻(徳間書店)

 師弟、親子、元親友など、少年マンガではさまざまな関係性同士の戦いが描かれてきました。そのなかでも、「兄弟同士」での争いは、親との関係も絡んで特に因縁深く描かれるライバルです。そんな因縁深すぎ、悲しすぎな兄弟対決を振り返ります。

●うちはサスケvsうちはイタチ『NARUTO-ナルト-』

『NARUTO-ナルト-』の主人公・うずまきナルトの友であり、ライバルでもある「うちはサスケ」の目的は、一族を皆殺しにした兄・うちはイタチへの復讐でした。この兄弟の最初の対決では、力の差は歴然で、サスケは一方的に負けてしまいます。イタチに敗れたサスケは、友や里など復讐以外のすべてを切り捨てて力を手に入れ、イタチとの再戦に挑みました。

 三大瞳術のひとつ「写輪眼」を継承する「うちは一族」であるサスケと、イタチの戦いは熾烈を極めました。激しい戦いの末に、サスケは切り札の雷雲を操る大技「麒麟」を繰り出しますが、「万華鏡写輪眼」に開眼しているイタチには通じず、追い詰められていきます。しかし、薬で延命していたイタチの命も限界にきていました。そして、イタチは身動きのとれなくなったサスケに近づくと、「許せサスケ、これで最後だ」と笑顔で言い遺し、力尽きます。

 イタチは、うちは一族を皆殺しにした理由を「腕試し」とサスケに伝えていましたが、実際は木ノ葉の里とサスケを守るための苦渋の選択でした。そして、生き残ったサスケをあえて挑発していたのも、彼を強くして生き残らせるためだったのです。

 最初に兄弟対決を読んだ際は、身勝手なイタチに怒りが湧きますが、すべての真相を知った後に見返すと、彼への同情でまったく印象が変わります。また、この後の展開でイタチが「穢土転生」して蘇り、サスケと共闘する場面はとても感動的でした。

●ラオウvsトキ『北斗の拳』

『北斗の拳』の主人公・ケンシロウには、北斗神拳の伝承者候補のラオウ・トキ・ジャギという義兄たちがいます。その兄弟たちのなかで、ラオウとトキのふたりは血のつながった実の兄弟でした。ケンシロウやユリアたちを助けるために死の灰を浴び、死期が近くなったトキ。彼は紆余曲折を経て、幼いころから目標としてきた兄・ラオウを超えるため、そして「道を誤ったときはおまえの手でおれの拳を封じてくれ」と言っていた兄との約束を守るため、最後の戦いを決意します。

 トキは、命を縮めて力を得る秘孔「刹活孔」を突いて、ラオウとの決戦に挑みました。秘孔でラオウに匹敵するほどの剛拳を得たトキは、ラオウに死を告げる星・死兆星を見せるほどに圧倒し、止めの一撃を放ちます。しかし、トキの一撃を受けたラオウは、「き…きかぬ きかぬのだ!!」と涙を流しました。トキが己に施した刹活孔の効果は、徐々に衰えていたのです。そして、ラオウの攻撃を受け地に伏したトキは敗北を受け入れますが、ラオウはとどめを刺さず、「残る余生安らかに暮らすがよい」と告げて去っていきました。

 この戦いは、トキの兄にどこまでも憧れた純粋なトキの想いと、それが叶わず散っていく無念さを受け入れ覚悟を決めた心意気に感動する兄弟対決です。そして、暴力の化身のように思われていたラオウにも兄弟愛があることがわかり、その後の展開含めて彼の見方が変わる重要なエピソードでもありました。

【画像】まだまだ多い、マンガの悲しき兄弟対決(8枚)

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