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はかなく消えていった「ジオン軍」の戦闘用艦艇たち 連邦艦より優れた点もあったが…

『機動戦士ガンダム』で連邦軍と戦ったジオン軍は、ムサイ級をはじめとするモビルスーツの運用が可能な戦闘用艦艇を複数種装備し、地球連邦軍を苦しめました。今回はホワイトベース隊と交戦した4種類の艦艇を紹介します。

ジオン軍の主力巡洋艦たち

『機動戦士ガンダム』に登場したムサイ級を再現した、「機動戦士ガンダム 量産型ムサイ 1/1200スケール プラモデル」(バンダイ)
『機動戦士ガンダム』に登場したムサイ級を再現した、「機動戦士ガンダム 量産型ムサイ 1/1200スケール プラモデル」(バンダイ)

『機動戦士ガンダム』で活躍したジオン軍の艦艇は最初からモビルスーツ(MS)の運用能力を備え、一年戦争初期では連邦軍を圧倒していましたが、物語が進むとともに、あえなく撃沈される描写も増えていきました。

●ムサイ級軽巡洋艦

 艦橋の左右下に伸びた支柱の先に、熱核ロケットエンジンを1基ずつ備えた形状が印象的な「ムサイ級」は、ジオン軍が運用する主力巡洋艦です。艦橋の直下にはモビルスーツを4機格納できるデッキが備えられており、艦の後方へと射出することが可能です。

 艦首下部には大気圏突入用カプセル「コムサイ」を装備しており、モビルスーツ2機を収容可能です。特筆すべき点としては、設計段階でモビルスーツの運用を想定していたため艦内に冷却装置が備えられており、熱が溜まっている機体を強制冷却し素早く再出撃させることが可能になっています。

 艦自体の攻撃能力としては2連装メガ粒子砲を正面に向けて3基搭載しており、複数の方向に合計6門のメガ粒子砲を搭載している地球連邦軍のサラミス級に対し、砲戦能力で優位に立っています。しかしながら一年戦争後期には砲塔が2基に減少した簡易生産型も登場しており、ジオン軍の懐事情の厳しさを体現していました。

 さらに145型大型ミサイルランチャー2門、C型ミサイルランチャー10門を搭載していますが、これも基本的には正面に向けて装備しており、上下と後方に大きな死角が生まれてしまっています。さらに対空砲を装備していないため、38話ではセイラ・マスのGファイターにより2隻のムサイが一方的に撃沈の憂き目を見ています。サラミスに勝てるモビルスーツ母艦としては及第点のムサイですが、連邦軍が送り出した新型機に対しては対抗できなかった悲劇の艦ともいえるでしょう。

●チベ級重巡洋艦

 コンスコン少将などが乗艦したチベ級は、ジオン軍が開発し、宇宙世紀0070年に就役した重巡洋艦です。開発当初は戦艦としてカテゴライズされていましたが、ミノフスキー粒子の発見およびメガ粒子砲の実用化以前の設計だったために瞬く間に陳腐化。グワジン級の完成に伴い、艦種を重巡洋艦に改めた……という経緯があります。

 一年戦争前には近代化改装を受け、主砲を実弾砲から3連装メガ粒子砲2基に、推進器を熱核ロケットに換装しています。さらにミサイル発射管12基に加え、連装大型対空機関砲を18基装備しており、ムサイ級では弱点だった対空防御能力も備えています。

 さらに、カタパルトなどのモビルスーツ運用設備も備えられ、8基のモビルスーツの運用が可能となっています(異説あり)。

 小規模艦隊の旗艦として用いられることが多かったチベ級ですが、連邦軍のマゼラン級と比較すると正面火力に劣り、艦の前面投影面積も大きかったことから被弾しやすく、38話ではワッケインのマゼランと交戦し、撃沈された艦も描かれています。

【画像】色もデザインも個性的だった、ジオン軍の「ムサイ」など戦闘艦たち(5枚)

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