PS5の先行きは危うい? ハイパフォーマンス&高コスパながらも欠ける「独自性」
PS5は、人気の高さに比例し、手に入りづらい家庭用ゲーム機です。そのため、まだ未経験な方も少なからずいます。実際に触れたらどこに惹かれ、どの点が物足りなく感じるのか。いちユーザーの視点で、その実感をお伝えします。
PS5と1年以上を過ごして感じた手応えや実情
2020年11月12日に発売された「PlayStation 5」(以下、PS5)は、次世代のゲーム体験が味わえる最新の家庭用ゲーム機として注目を集めました。
その人気は未だ高く、発売からもうじき2年が経ちますが、今も入手難が続いてるほど。コロナ禍や半導体などの部品不足による生産の伸び悩みという事情もありますが、供給を上回る需要が集まっており、欲しいのに購入できない方がまだ数多くいます。
筆者は、もちろん個人的に欲しかった気持ちもありますが、ゲームライターという立場的にもPS5の入手は重要事項でした。仕事柄、PS5の抽選販売情報をこまめにチェックしていたので、積極的に参加して購入へとこぎ着けました。
そして、PS5を手元に置いて1年以上が経過。その結果、ゲームライフに影響はあったのか。PS5の特徴を、どのように肌で感じたのか。そうした手応えや率直な実感を、ひとりのゲームファンの一例としてお届けします。
●ゲームライターでも入手困難
まず誤解のないようお伝えしますが、ゲームライターだからといってPS5をメーカーからもらえたり、優先されて買いやすくなったりといった話はありません。少なくとも仕事関係の周囲からもそういった話を聞いたことはなく、ほぼ全員が入手に苦労していました。
筆者の場合、発売前の予約申し込み合戦に負け、発売日以降は「ゲオ」「ノジマ」「ヤマダデンキ」などさまざまな店舗が行う抽選販売に参加。そうした日々を半年ほど続けた2021年春に、ようやくPS5の購入権が当たりました。
その時は、「やっとか……」と嬉しさよりも安堵感の方が大きかったのですが、まさか購入難が2年以上続くとは予想できず、振り返ってみると半年後に買えただけでも十分幸運な方でした。
●映像表現から滑らかな動きまで、描画のレベルは流石のひと言
PS5を購入して最初に実感したのは、やはり描画性能の高さ。PS4と較べてもその差は明白で、画質の向上はもちろん、動きの滑らかさにも目を奪われます。
PS5に限った話ではありませんが、どれだけ画質が良くとも、見続けると慣れてしまいがち。それは人間の性質みたいなものなので、PS5であってもその現象からは逃げられません。ですが、それは「見る目の水準が上がった」という話でもあり、PS5の性能が影響を与えるに十分だったとも言えます。
しかし、優れた描画性能を全力で実感できる機会は、想像よりも少なめでした。というのも、PS5は専用ソフトが未だ少なく、発売されるもののほとんどはPS4をはじめとするマルチ展開です。スペックがまちまちなPC向けは別として、PS4やニンテンドースイッチにも同時に発売する際、他機種版でも十分遊べる形にしなければならず、結果としてPS5の性能をフルに活かしたゲームにならない場合があります。
マルチ展開のソフトであっても、次世代レベルの描画を感じさせてくれる場合もありますが、「PS5の性能を全力で活かしたゲームが続々と登場!」と言えるレベルではまだなく、現状はやや残念なところです。