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「半年ROMれ」は今、優しい言葉? ネットスラングに起きている変化を考察

最近SNS上では、「半年ROMれ」というネットスラングがまるで金言のように扱われています。実際に当時の経験者からすると、「半年ROMれ」は元々暴言に近い意味でした。なぜ意味や扱いが変わってきたのか、その理由についてネット上の声を交えながら考察しました。

暴言が金言へと変化した理由は現代のネット事情?

最近のアニメ・マンガ発のネットスラングと言えば…マイキーの「ひよってるやついる?」 著:和久井健『東京卍リベンジャーズ』第3巻(講談社)
最近のアニメ・マンガ発のネットスラングと言えば…マイキーの「ひよってるやついる?」 著:和久井健『東京卍リベンジャーズ』第3巻(講談社)

 最近のSNS・ネット上では「半年ROMれ」がまるで金言のように扱われているようです。という、「テレホーダイ」「ダイヤルアップ接続」などが懐かしく感じる世代には驚くような事実です。「ROM」とは「Read Only Member」(閲覧だけすること)という意味。「半年ROMれ」は主にネット上の掲示板やスレッドなどで、空気を読まずに書き込みするユーザーに対して放たれていた言葉です。当時のニュアンスとしては、「邪魔だから黙っていろ・消えろ」「半年くらいは閲覧だけにしておけ」というキツイ意味を含んだ言葉でした。

 しかし昨今では、「書き込みする前に自分で調べよう。それができないなら閲覧だけしましょうね」と諭す、親切な意味合いも生まれはじめているようです。「半年ROMれ」と同様に暴言として使われていたのが「ggrks」ですが、「ggrks」とは「人に質問する前にググレカス」という意味。かなり直接的な暴言なのですが、現代では意味が通じないケースが多発しているようです。

「半年ROMれ」や「ggrks」と同時期に頻出していたネットミーム・マナーとして、「sage(下げ)進行」や「キリ番」などもありました。「sage進行」とはスレッド位置を上がらないようにする、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)内の機能のこと。当時はいわば暗黙の了解のネットマナーといえたでしょう。「キリ番」とはキリのいい数字(100や1234など)のアクセスカウンターを踏むと、閲覧者を祝ってくれる文化のことです。

 現代の若者はネットマナーを学ぶ場が少ないため、「半年ROMれ」などの暴言も金言へと変化させてしまったのかもしれません。「昔と比べてネット上でコケても擦り傷で済むような場所がなくなったよな」「今の若者はいきなり無差別級に放り込まれるようなもの」といった声が見られるように、SNSデビューという「大舞台」しかない現代のネット事情が要因にあるという意見もありました。

「半年ROMれ」が「ヌクモリティ(優しいレスやコメントをすること)」に近づくとは、後の「インターネット老人会」の方々も予測できなかったのではないでしょうか……。

(マグミクス編集部)

【画像】「オタク」文化を「一般」に近づけた立役者(4枚)

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