『ドラゴンボール』不遇扱いナゼ? 愛されキャラなのに「出番無し」の魔人ブウ
原作マンガではラスボスとして活躍したブウ。悪の心がなくなって悟空たちの仲間入りをしましたが、なぜか出番らしい出番がありません。その理由について考えました。
現在のブウの強さは?
『ドラゴンボール』には天津飯や餃子、ヤムチャなど、戦闘力の急上昇によって戦いについてこれず、戦場から遠ざかったキャラが何人かいます。しかし、その逆に強過ぎるせいで出番のなくなったキャラもいました。それが原作マンガでラスボスだった魔人ブウです。
魔人ブウは驚異的な戦闘力はもちろん、自己再生能力に長け、他者の技を一度見ただけで再現する天才的なセンスも兼ね備えていました。まさに圧倒的な強さの持ち主でしたが、変身と分裂を繰り返すことで結果的に大きな隙を生みます。そして、本来の姿だった純粋なブウは、サタンにより善の心を持つようになったブウを分裂し、その善のブウの助けを借りた孫悟空によって倒されました。
心がなく純粋に破壊を楽しむブウはその後、あの世で閻魔大王によって魂を浄化されて悟空の願い通り、ひとりの地球人へと転生します。それが原作マンガで悟空が最後に戦い、強くなる修行をするため共に旅立ったウーブという少年でした。
一方、分裂したブウは悪の心がなくなったこともありサタンの必死の説得で、平和になった地球で「ミスター・ブウ」としてサタンと共に暮らすようになります。この時、ドラゴンボールの願いにより「魔人ブウ」の記憶は人々から忘れ去られ、ブウは普通の生活を送るようになりました。
問題となるのはこの後、原作マンガで空白の時期だった物語を描いた『ドラゴンボール超』の話です。この作品でブウは、ほとんど活躍することがありません。それはなぜか? おそらく理由として、強過ぎてストーリーに組み込みづらいからと推測できます。
この頃のブウの力はどの程度だったのでしょうか?
ブウより間違いなく強いキャラは実際に戦って苦戦した純粋ブウ。その純粋ブウを倒した悟空。そして、ブウを子ども扱いした破壊神ビルス。さらにビルスの付き人のウイス。原作マンガ時点では優劣がわかりづらかったベジータも、その後の悟空とのパワーバランスを考えるとブウを超えた戦闘力を身につけていることでしょう。
逆に原作マンガでは悟空を超えた戦闘力を身につけた孫悟飯は、著しくパワーダウンをしているのでブウよりも弱くなっている可能性が高いです。こうして振り返ってみると、ブウの強さは味方キャラのなかでもトップクラスにいました。
復活して地球へ復讐に来たフリーザとの戦い、宇宙の命運をかけた「力の大会」に参加していた場合、どう考えても活躍することは必至です。直接の戦闘に関しては前述した3つの特徴があり、忘れがちですが他者を回復する能力も持っているブウは、あらゆる盤面で活躍する可能性がありました。
こうなると設定を無視して意図的に弱体化させるか、最初から数に入れないようにするしかありません。そのため、『ドラゴンボール超』では、一度眠ると2ケ月は起きないという縛りを付けて登場させないようにしたわけです。