名機「vガンダム」の意外な誕生秘話 富野監督のとある「勘違い」がきっかけ?
アムロの乗った最後のガンダムということで絶大な人気を誇る「vガンダム」。劇中で見せたアムロの華麗なテクニックと合わせて、超常的な性能に多くのファンを生みました。そしてその魅力は数々のバリエーションも生み出します。
アムロが乗り込むことで超常的な力を生んだvガンダム
![アムロが乗ったMSとして、RX-78-2ガンダムとともに広く知られている「νガンダム」。画像は「ROBOT魂 [SIDE MS]ニューガンダム」(BANDAI SPIRITS)](https://magmix.jp/wp-content/uploads/2022/09/220830-vgundam-01-215x300.jpg)
本日9月3日は「vガンダムの日」。型式番号の「RX-93」にかけてファンから声が上がったようで、正式な記念日というわけではありません。しかしここ数年、多くのガンダムファンには認知された記念日となっています。
vガンダムは劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したMS(モビルスーツ)で、シリーズ最初の主人公であるアムロ・レイが最後に乗り込んだ専用ガンダムでした。そのためファンからの人気も高く、ガンダムシリーズ全体から見ても認知度の高いガンダムと言えるでしょう。
このvガンダムの特徴と言えば、やはり背中に背負った「フィン・ファンネル」です。このフィン・ファンネルが、デザインとしても重要な位置にありました。もともとは富野由悠季監督の「マントの付いたガンダム」というオーダーに対する答えがフィン・ファンネルで、もうひとつの「RX-78への原点回帰」というオーダーに答えたのが基本のシンプルなデザインです。
多くのデザイナーが関わるなかで、劇場版のメインメカデザイナーに抜擢された出渕裕さんがデザインをまとめ上げてvガンダムは完成しました。原点回帰と言いながらもガンダムで初めて左右非対称になるなど、革新的な部分もある良デザインだと言えるでしょう。これまで定番だったトリコロールでなく、白と黒に塗り分けられたカラーリングも新ガンダムをイメージさせる斬新なものでした。
vガンダムは主役機で初めてのサイコミュ兵装搭載のMSですが、それ以上に強力な武器となったのが「サイコフレーム」です。サイコフレームは単純な強化アイテムというだけでなく、劇場版本作を動かす舞台装置としても大きな意味を持ったものでした。
このサイコフレームという超常的な力は本作だけでなく、後の宇宙世紀の物語にも大きな影響を与えてます。前段階とも言えるZガンダムなどに装備されたバイオセンサーと同じく、ニュータイプ能力が力として形になり、本作終盤で巨大な宇宙要塞アクシズを押し返す奇跡を生みました。
これらのことを考えると、vガンダムはアムロのニュータイプ能力に合わせた専用機。その力を極限まで引き出す、最後の愛機に相応しい能力を持っていたことがあらためてわかります。ゆえに人気の高さも当然だと言えるでしょう。