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名機「vガンダム」の意外な誕生秘話 富野監督のとある「勘違い」がきっかけ?

数多いバリエーションはファンの期待が生んだIFのvガンダム

小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場した別バージョン「RX-93-v2 Hi-vガンダム」。画像は「MG 1/100 RX-93-v2 Hi-vガンダム Ver.Ka (機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン)」
小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場した別バージョン「RX-93-v2 Hi-vガンダム」。画像は「MG 1/100 RX-93-v2 Hi-vガンダム Ver.Ka (機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン)」

 このvガンダムの特徴のひとつに、主役機には珍しくバリエーションが多いことが挙げられます。後年に作られた設定では、シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンとの戦いに備えて、あらかじめ追加兵装などのオプションがいくつか考案されていた。……と設定されています。つまりネオ・ジオンとの戦争は、地球連邦の予想よりも早く終結したということになるでしょう。

 現実の時系列的にvガンダムの最初のバリエーションとなるのが、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場したvガンダムの別バージョン「RX-93-v2 Hi-vガンダム」になります。何度かの設定とデザイン変更を繰り返して現在の形になりました。

 vガンダムとは背部のフィン・ファンネルの接続方法が大きく異なります。型式番号からvガンダムのバージョンアップ機体と考えられ、ゲームなどではアムロ用の最終機体という位置付けになることも多くありました。

 この名前には逸話があります。もともとvガンダムは「Hi-S(ハイエス)ガンダム」となる予定でした。その意味は「シャアを超える」。ところが、これは富野監督のミスでした。シャアのスペルはSでなくCだったことで、新しいガンダム→NEWガンダム→vガンダムということでvガンダムという名前になったそうです。これを組んでHi-vガンダムという名前が付けられました。

 vガンダムの追加武装プランとして最初に考えられたのが、ガンプラの説明書に掲載された「vガンダム ダブル・フィン・ファンネル装備型」です。左側に集中していたフィン・ファンネルが左右対称に装備したバージョン。最初は通常型と同じ数の6機を左右で3機ずつ装備していましたが、昨今では両側に6機ずつ合計12機が一般的になりました。

 この他にもガンダムタイプ定番のフルアーマープランである「FA-93HWS vガンダム ヘビー・ウエポン・システム装備型」があります。近年にはHi-vガンダム用のヘビー・ウエポン・システムも設定されました。

 変わり種として「RX-94 量産型vガンダム」があります。もともとvガンダムは量産型への転用も検討されていたという設定で、エースパイロット用に開発されました。特筆する点はニュータイプでないパイロット用装備として、フィン・ファンネルからインコムにユニット換装ができる点です。「機動戦士ガンダムUC」で登場を検討されましたが、イメージが強すぎるという理由で使用されるMSはシルヴァ・バレトに変更されました。

 そして最近、新たに生まれたのが実物大vガンダム立像「RX-93ff vガンダム」です。大きな違いは、背部に新たに設定された「ロングレンジ・フィン・ファンネル」を装備している点。このロングレンジ・フィン・ファンネルは射撃だけでなくビームサーベルとしても使用できる優れモノでした。

 正式にはコメントされていませんが、通常のフィン・ファンネルでは建築法に引っかかると言われ、実物大のvガンダム制作のために必要な処置だったと噂されています。ファンには設置場所から「福岡vガンダム」とも呼ばれていました。

 ガンダムシリーズ最初の主人公アムロの最後の愛機ということでファンから絶大な人気を得ているvガンダム。ひょっとしたら今後も新たなバリエーションが生まれるかもしれません。

(加々美利治)

【画像】全部分かったらスゴい? vガンダムのバリエーション機を見る (4枚)

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