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【漫画】ペットのニンゲンの死で人外が号泣 「骨にしたくない」大事な存在を亡くした悲しみ

飼っていた「ニンゲン」が死んでしまって泣きじゃくる人外の少女。お父さんが弔いをしようとするも、ペットの生前を知る少女は「そんなんじゃ喜ばないよ!」と泣き叫び……。ファンタジー設定ながら、大事な家族の「供養」を描いたマンガが、Twitterで「泣ける」と話題を呼んでいます。

ペットの弔いが受け入れられず泣き叫んでいたけど……

大好きだったペットの「ニンゲン」の死が受け入れられない人外の少女(日暮ずむさん提供)
大好きだったペットの「ニンゲン」の死が受け入れられない人外の少女(日暮ずむさん提供)

 飼っていた「ニンゲン」が死んで悲しむ人外を描いたマンガが、Twitterで5万2000以上の「いいね」を集め話題となっています。ひとつ目の人外の少女は、ニホンジン種の「バスソルト」をずっとかわいがっており、供養をしようという父の言葉も受け入れられず、泣き続けるのですが……という内容で、「ほっこり切なくなりました」「故人の供養とは何か考えさせられて、素敵です」「バスソルトの名前と趣味のクセが凄い(笑)」などの声があがっています。

 創作マンガ『BONBON』を描いたのは、Twitterで作品を発表している漫画家の日暮ずむさん(@einomedama)です。日暮ずむさんに、作品についてのお話を聞きました。

ーー日暮ずむさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 親が漫画家業をしておりまして、生まれた時からマンガに囲まれた生活を送っておりました。壁一面びっしりと背の高い本棚に囲まれた仕事部屋にたまに入れてもらうと、わくわくしました。園児の頃にはもうコマを割ったものを描いていましたね……。明確に意識したことはないのですが、親の背を追うように描き始めたのだと思います。

ーー創作『BONBON』はどのようなきっかけで生まれたのでしょうか。

 実家の飼い猫が亡くなった時、そして亡くなったあとに感じたことをそのままぶつけるように描きあげました。あまり作品の裏話をするのも野暮かもしれないし、しんみりした話だし……と思って大々的に公表はしていなかったのですが、Twitterで『ぼんぼん制作裏話』というタイトルで、つぶやきの延長としてまとめています。

ーーかわいらしい絵柄ですが、大事な存在との別れという誰しも無関係ではないテーマの物語に考えさせられます。描く際に気をつけた点などはありますか?

 勢いで描いたものではあるのですが、口あたりの軽いものになるように、とは考えていた気がします。特に、経験そのままの『人の飼い主、小動物のペット』としてしまうとどうしても自分には重く感じられたので、人には飼われてもらいました。

ーー今回のお話に登場する人間のバスソルトについては、以前にもイラストを投稿されていました。「若く見えるけど品種改良の結果」「死因は老衰」などの裏設定も描かれていて印象的でした。バスソルトへの思いをお聞かせ下さい。

 実はあまり自作品の登場人物に強い思い入れがある方ではないのですが、色んな方に「バスソルト好きだな」「かわいいな」とおっしゃっていただけて愛着を持ちましたね……! バスソルトがどんな子だったのか、人外の親子はよく知っていても作者は詳しくなかったのかもしれません。今は少しずつ考えていけたらいいなあと思っています。おそらく、相当な変わり者ではあります。

精霊馬を作り、少しずつバスソルトの死を受け入れていく人外(日暮ずむさん提供)
精霊馬を作り、少しずつバスソルトの死を受け入れていく人外(日暮ずむさん提供)

ーー人外の親子はお盆の風習をまねてバスソルトを弔っていましたが、日暮ずむさんはお盆はどのように過ごされていますか。

 送り迎え用のおもちゃの車を飾っています。あとは亡くなった子のアルバムを見たりしていました。あまり忠実な儀礼はしていないのですが、ゆったりと過ごしています。

ーー特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 いろんなお声がうれしかったり楽しかったりしたのですが、「きゅうり……カレー……?」と疑問に思われる方々がいらっしゃって……。「作者さんは普通に食べてるのかな?」と言ってくれている方もいたのですが……作者、きゅうりカレーを食べたこと、ありません!  ですが、作中ではきゅうりを入れているのかもしれませんし、ズッキーニをきゅうりと誤認しているのかもしれません。きゅうりカレー、いつか試そうかな……。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 具体的な目標や指針があるわけではないものの、好きなものをのんびりと作っていきたいです。たくさんのひとにご覧いただけたらうれしいなあと思いつつ、小心者ゆえに縮んでしまうこともありつつ……。好きだーと思ってくれる方が好きだーとおっしゃってくださったら、それが何よりうれしいですね……。

(マグミクス編集部)

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