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妊娠中、出産後でも描き続けた!? 休載なしで完結まで描き続けた超人漫画家

マンガ好きにとって恐るべき言葉「休載」。漫画家の働き方が変化し、近頃は適度に休載を発表する作品が多く存在しています。しかしそんななかでも、一度も休載することなくシリーズ完結を遂げた超人漫画家も存在しています。そこで、言葉を失うほどすごい、漫画家たちをご紹介します。

週刊連載2本掛け持ちした時期も!

妊娠、出産の時期に発売された第16巻『鋼の錬金術師』著:荒川弘(スクウェア・エニックス)
妊娠、出産の時期に発売された第16巻『鋼の錬金術師』著:荒川弘(スクウェア・エニックス)

 少し前まで『休む=食っていけない』などと言われ続けており、連載を持つ漫画家は何年もの間、殺人的スケジュールをこなさなければなりませんでした。最近は、少しずつ環境が改善され、作者のペースを優先にするために適度に休載を取る風潮に変化しています。

 しかし、休載が良しとされ始めた現代で、一度も原稿を落とすことなく、完結まで行った超人とも呼べる漫画家たちもいます。この記事では、「ブラック」と言われ続けるマンガ業界で、まさかの休載なしでやり遂げた漫画家をご紹介します。

 まず紹介したいのは『鋼の錬金術師』の作者・荒川弘先生です。まず、間違われることが多いようですが、荒川先生は女性です。『鋼の錬金術師』連載中の2007年に第一子を妊娠・出産されています。そんな大変な時期にも関わらず一度も休載することはありませんでした。2001年から2010年までの約9年間、出産から育児まで執筆活動と両立してをやり遂げた荒川先生の体力に感服するばかりです。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所(以下:こち亀)』の作者・秋本治先生が一度も休載していない、という事実はマンガ好きの間ではかなり有名かもしれません。最も発行巻数が多い単一マンガシリーズとして、世界ギネス記録にも認定されている『こち亀』は驚くべきことに40年間一度も休載したことがありません。

 そうできたのは「規則正しい生活」だったそうで、長期間続けられた秘訣が書かれた「秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由」という本も執筆されているほど。秋本治先生の超ホワイトな働き方は『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦先生など、多くの漫画家の働き方に影響を与えています。

 最後は『犬夜叉』の作者・高橋留美子先生です。高橋先生は、あろうことか連載作品を2本も掛け持ちしていた時期がありました。さらに、もともと週刊だった『うる星やつら』に加えて、はじめは隔週だった『めぞん一刻』も週刊になる一大事件が起こったことも。そんななかでも作品が完結するまでの4年間、作者都合による休載は一度もないばかりか、締め切りを破ることもなかったそうです。週刊連載作品が1本だけでも大変なはずなのに、週に2本もジャンルの違う作品を描き続けたプロ根性はさすがとしか言いようがありません。

 ほかにも『家庭教師ヒットマンREBORN!』を8年間休載なしでやり遂げた天野明先生や、『RAVE』を6年間休載なしで描き続けた傍ら、読切作品なども制作していた真島ヒロ先生なども有名なのではないでしょうか。この記事で紹介した漫画家のなかには現在、連載中の作品では、休載期間とっている方もいます。より良い作品作りのために体を休めてほしい想いと、「早く読みたい!」というふたつの想い。読者にとっては少し複雑な問題かもしれません。

(マグミクス編集部)

【画像】「なんだそれ(笑)」休載理由が面白すぎたマンガを見る(6枚)

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