キャラの顔が違いすぎてびっくりした・ゲーム3選 デザイン変更に賛否両論
『桃鉄』もキャラデザが大胆に変化していた

続いて取り上げるのは、1988年の誕生以降、令和の今なおパーティーゲームの定番として支持を集める「桃太郎電鉄」(以下、桃鉄)シリーズ。「鉄道会社の社長となって全国各地を巡りつつ、最終的な収益の多さを競い合う」という内容で、2022年9月現在までに20作以上のシリーズ作品が作られたヒットタイトルです。
そんな同シリーズは長らくイラストレーター・土居孝幸氏のキャラクターデザインが採用されていましたが、最新作『桃太郎電鉄 昭和、平成、令和も定番!』は従来以上にデフォルメチックなキャラデザインへと変更。新たに「桃鉄」シリーズへ参画したイラストレーター・竹浪秀行氏により、「桃太郎」や「貧乏神」などを含む全登場キャラクターがポップに生まれ変わりました。
この変更はシリーズファンを中心に賛否両論の嵐を呼びましたが、そうした意見とは別に、同作は出荷本数350万本(国内)という好調な数字を記録。2021年度の「日本ゲーム大賞」において、優秀賞とベストセールス賞の両方に輝きました。
そして、個人的に仰天のデザイン変更を伴ったのが、PS VitaやPC向けにリリースされた『かまいたちの夜 輪廻彩声』。同作はチュンソフト(現スパイク・チュンソフト)製のサウンドノベル『かまいたちの夜』を新たな解釈で作り直したリメイク作品。同作と言えばスーパーファミコンをはじめ、家庭用ゲーム機・携帯ゲーム機・PC・携帯電話用アプリにまで移植されている、言わばサウンドノベル界の金字塔です。
そんな名作のリメイク版は、基本的なゲームシステム及び収録シナリオをオリジナル版から踏襲しつつも、シリーズ伝統の「キャラクターシルエット」を廃し、23年の歴史で初めてアニメ風のキャラクターイラストを実装(原画&キャラデザ:有葉氏)しました。この試みによって過去シリーズにはないテイストが加えられた反面、「表情の見えないキャラクター達と疑心暗鬼のミステリードラマを繰り広げる」という同シリーズ特有の醍醐味はやや薄まる結果となりました。
とは言え、どんなシリーズ作品でもテコ入れや制作上の都合でキャラクターデザインが変わることはよくある話です。いずれにせよ、生まれ変わったキャラクターデザインを新鮮なものとして受け入れつつ、変更後の良さを自分なりに見出すのがひとりのファンとして健全な姿勢と言えるのではないでしょうか。
(龍田優貴)