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『グレンダイザー』新プロジェクトはアニメ作品? 『マジンガーZ』との関係から

往年のロボットアニメの名作『グレンダイザー』。先日、新たに「プロジェクトG」という企画が発表されました。はたして「プロジェクトG」とは何のか? 少ない情報から、その内容について考察します。

海外で「視聴率100%」も達成した圧倒的人気作

アニメ『UFOロボ グレンダイザー』DVD1巻(東映ビデオ)
アニメ『UFOロボ グレンダイザー』DVD1巻(東映ビデオ)

 先日、漫画家・永井豪先生のプロダクション「ダイナミック企画」が、新たな企画となる「プロジェクトG」を発表しました。それは『UFOロボ グレンダイザー』の新企画を始動するというものです。

『グレンダイザー』は、永井先生が原作を手掛け、1975年10月5日から放送開始したTVアニメ作品です。『マジンガーZ』(1972年)、『グレートマジンガー』(1974年)に続くマジンガーシリーズの第3作です。

 半年から1年で終了することの多いロボットアニメのなかで、人気の高かった本作は全74話、1年半にわたって放映されていました。ターゲットとなる男児の人気もさることながら、荒木伸吾さんのデザインした美形キャラたちが話題になり、ドラマ面も重視した作風とあわせて、本来のターゲットではなかった女性ファンからも多大な支持を得ています。

 この『グレンダイザー』という作品は、日本以上に海外で有名でした。『ゴルドラック』と名前を変えたフランスでは「平均75%、最高100%」という高視聴率を記録。近年、「世界のテレビを変えた50作品」のひとつとして選ばれました。ほかにもイタリアなど、ヨーロッパでは日本を代表するアニメという認識を得ています。

 中東でも、イラクをはじめシリア、ヨルダン、エジプト、クウェートでの高評価が有名でした。「放送時間になると路地から子供の姿が消える」、「多民族国家であるイラクで共通の話題はサッカーとグレンダイザーだけ」という、日本以上の評判が伝えられています。

 今回、「プロジェクトG」の発表記念イベントが日本でなくサウジアラビアの首都リヤドで行われたのも、日本国内以上に熱狂的なファンが海外にいたからと考えられるでしょう。つまり『グレンダイザー』は日本発でありながら、その評価は海外に劣ると言えるかもしれません。

 それではなぜ、このような逆転現象が起こったのでしょうか?

 要因のひとつとして、アニメ大国と言われる日本では、『グレンダイザー』に優るとも劣らない作品が多数あることが挙げられます。実際、『グレンダイザー』放映中はロボットアニメブームと言われた時代であり、そのなかで本作の人気が他国のように圧倒的一番というわけではありませんでした。

 また、その後の扱いも要因として考えられます。ロボットアニメの伝道師的存在であるゲーム『スーパーロボット大戦』において、実は『グレンダイザー』の登場回数はあまり多くありません。本来、『スパロボ』はガンダム、マジンガー、ゲッターロボが御三家なのですが、マジンガーシリーズがいる作品でも『グレンダイザー』が参戦しないこともあります。

 この他にも、その後にマジンガーシリーズのアニメやマンガでのリブートが行われた際も、中心となるのがマジンガーZ、それにグレートマジンガーが加わるダブルマジンガーという展開が多く、グレンダイザーはカヤの外となることが多くありました。

 これらのことから、いつの間にかグレンダイザーの存在はそれほど多く取り上げられなくなっています。もっとも永井先生自らリブートした『グレンダイザー ギガ』が2014年に発表されているので、まったくの皆無というわけではありません。

 しかし、他の作品に比べると国内での『グレンダイザー』の評価、露出度は残念ながら海外に比べて大きくないと言えるでしょう。

【画像】熱狂するサウジの首都リアドの様子 『グレンダイザー』新プロジェクト発表で(5枚)

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