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「PS5」の先行きは? 値上げがもたらす最悪のシナリオ

PS5に向けられた期待は大きく、だからこそ入手できない状況に不満を覚える方も少なくありません。そこに訪れる、値上げという痛手。厳しい風向きのなか、PS5が及ぼすであろう影響についてお届けします。

値上げを迎えるPS5、この先どうなる?

値上げが迫るPS5
値上げが迫るPS5

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が、家庭用ゲーム機「PlayStation 5」を2020年11月に発売しました。性能の向上による新たなゲーム体験の提供、優れた後方互換性、ハプティック技術を搭載したコントローラなど、多彩な特徴でゲームファンを魅了します。

 ですが、今のPS5に向けられるのは、期待や賞賛ばかりではありません。需要の大きさに対して供給が全く追いついておらず、発売直後からの入手難に不満の声が上がりました。しかも、発売開始から2年近く経過した今現在も改善に至っておらず、未だに入手できない方が多数。そのため、PS5の購入を諦めた人もいるほどです。

 それでも供給自体は常に行われているため、いずれ問題なく買える日が来るだろう……と考えていた矢先に、PS5の値上げが先月末に決定。2022年9月15日より、ディスクドライブ搭載版とデジタル・エディション版のいずれも、5500円の値上げ(価格改定)が行われます。

 これまでも厳しい向きのあったPS5が、この値上げによってどのような展開を迎えるのか。最新ゲーム機の今後の見通しに迫ります。

●購買意欲に悪影響?

 消費者は、家庭用ゲーム機の価格を注視しています。かつて「PlayStation 3」が出だしに伸び悩んだ原因は、価格の高さが一因と言われました。また、「ニンテンドー3DS」も普及に手こずり、25000円から15000円への値下げをきっかけにシェアが伸びていきました。

 価格の高さ、また値下げによる手頃感などに消費者が反応を示すのと同様、値上げにもやはり敏感なのは間違いありません。今回、PS5の値上げが発表されて以降、「買えないうえに値上げで、気持ちが挫ける」「様子見に切り替えた」といった声がSNSで飛び交っています。

 まだ実際に値上げを迎えたわけではありませんが、9月15日以降、まだ入手していない消費者の購入意欲に悪影響を及ぼす可能性は、決して低いものではないでしょう。

●値上げによる転売屋の便乗

 PS5の値上げで考えられるのは、消費者の心境変化だけではありません。現在、PS5を転売目的で購入する人が少なからずおり、フリマアプリなどでは定価から数万円も上乗せされたプレミア価格が横行しています。このプレミア価格が、今回の値上げを受けてさらに高騰するかもしれません。

 ディスクドライブ搭載版の希望小売価格は54978円(税込)でしたが、フリマアプリ上では70000円台~90000円台の価格帯で販売されています。ざっと15,000円~35000円以上の額を上乗せしている販売者が、今後の5,500円の値上げを受けて、その分の額やさらなる上乗せをしないとは考えにくいところ。すでにSIEの値上げを理由とし、提示額の釣り上げを予告する動きも見られるほどです。

 しかし、こうしたプレミア価格の値上げ動向に惑わされる必要はないと、個人的に考えています。消費者全体の動きは、前述の通りまず買い控えや様子見が増えることしょう。それまで「プレミア価格でもいいから欲しい」と考えていた人も、同様に一定の割合で買い控えが発生します。

 転売目的の販売者からすれば、顧客になる可能性があった消費者が減るため、これまでのようには売れなくなる可能性があります。その状況が続けば、自分だけでも在庫をさばこうと相場を下回る額で提示する動きに繋がり、いずれ低価格合戦に至る──といった展開を迎えてもおかしくありません。

 SIEが供給を続ける限り、いずれ需要を上回ります。少なくとも便乗値上げをするプレミア価格に踊らされる必要はまったくないため、正規小売店の動向をチェックしながら、転売と思われる取引からは距離を置くのがお勧めです。

【画像】今後発売されるPS5ソフトの大注目作3選(5枚)

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