『スパイファミリー』ロイドはなぜヨルを疑わない? 有能スパイの「欠けた部分」を考察
父は「スパイ」、娘は「超能力者」、母は「殺し屋」の家族を巡る、ハートフルでコメディチックで、時にシリアスな日常を描く人気作『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』。殺し屋のヨルは偽装結婚しているスパイのロイドの前で、たびたび超人的能力を示していますが、疑われることは少ないようです。なぜでしょうか。
超人的な能力を持つヨルに、疑いを持たないロイドの謎な部分

1960~70年代の東西冷戦風の世界で、スパイの父と、超能力者の娘と、殺し屋の母が織りなす日常を描いた人気作『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』(原作:遠藤達哉)。スパイのロイド・フォージャーこと、<黄昏>は任務遂行のために、ヨルと偽装結婚します。ヨルは<いばら姫>と呼ばれる殺し屋なのですが、ロイドはヨルの正体を知りません。ロイドは劇中で、ヨルの正体にあまり関心を持たないようです。
ロイドは極めて優秀なスパイです。標的のエドガーを追い詰めた時に「エドガーの娘の犯罪行為や体中のホクロの数まで」調べたと言うほどの調査能力を持ちます。動物園の飼育員に偽装した時は、多数いるペンギンを個体識別できる洞察力もあります。
一方、ヨルは非常に優れた殺し屋ですが、天然ボケなところがある性格で、ロイドの前でたびたび超人的能力を見せています。
敏腕スパイであるロイドの背後を取ったり、ロイドを襲撃したギャングを撃退したり、暴走した牛を一撃で倒したり、テニスボールを音速で撃ち返したりと、とうてい普通の女性ではできないことをしているのです。
さらに、ロイドはヨルの弟のユーリが、敵対する<東国>の秘密警察所属ということも調べています。しかし、劇中でロイドがヨルを疑ったのは、原作マンガ第14話、アニメ第9話でのエピソードだけです。ロイドは「直観や身辺調査ではシロ。独身を保安局に怪しまれないための偽装結婚という話だが、身内が秘密警察ならそんなことをする必要がない。だが、全てがスパイである自分に近づくための演技かもしれない」と考え、ヨルに盗聴器を付けます。
その上で、ロイドはフランキーと秘密警察に偽装して、ヨルを詰問します。ヨルが弟のユーリのことを秘密警察所属だと知っているなら、助けを求めると考えたからです。ヨルはユーリが秘密警察だと知らなかったため、ロイドたちが扮した秘密警察に対し毅然と振る舞います。この場面でも、ヨルは裏社会の情報屋であるフランキーを組み伏せていますので、常人ではありません。
にも関わらず、ロイドはヨルがユーリに助けを求めなかったことをもって「秘密警察とつながっていない」と判断し、以後ヨルを疑わなくなります。
その後もロイドは、酔ったヨルに本気で蹴られて、ケガまでしていますが「なぜヨルが、自分でも対応できないような超人的な戦闘能力を持っているのか」疑問を持たないのです(ヨルは「弟に習った護身術」としか説明していません)。
※これ以降、アニメ第2クールに登場するキャラクターについての記載があります。



