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民明書房だけじゃなかった『男塾』のトンデモ解説 謎の出版社はまだ5つもあった?

まだまだあるトンデモ解説!最高峰記事で笑う人物は!?

男塾のすべては、この人から始まっている!『天下無双 江田島平八伝』第1巻(サード・ライン)
男塾のすべては、この人から始まっている!『天下無双 江田島平八伝』第1巻(サード・ライン)

●一般塾生たちが男気を見せた「万人橋」が解説されている「時源出版」

 中津川大観が「時源出版」から出版した中国拳法に関する書籍では、枝を払い頂部を切断した杉の木の切り口を足場として戦う異種格闘技「磁冠百柱林闘(じかんひゃくちゅうりんとう)」、男塾死天王のひとり・卍丸が極めた魍魎拳(もうりょうけん)最大の試練とされる「百人毒凶(ひゃくにんどくきょう)」、濃度100%の竜硝酸に耐えるスピードで厚さ30cmの御影石の石槽の底石を割る魍魎拳の最大奥義「烈舞硬殺指(れつぶこうさつし)」が解説されています。

 そして、男塾の主要戦闘メンバー以外の塾生たちが力を発揮したのが、「万人橋(ばんじんきょう)」でした。田沢、松尾らチャチャ入れやリアクション専門の塾生たちの大きな見せ場です。この「万人橋」については、名前のとおり肩車した人間が連なった橋で、中国の兵法書「武鑑」にヒントを得て、戦国武将の部下が主君を助けようとして実行したという逸話が、時源出版刊『戦場にかける橋』にて解説されていました。

●残したのは、たった1冊の刊行物「ミュンヒハウゼン出版」

 江田島平八塾長の宿敵・藤堂兵衛に迫る最終決戦を前に、男塾・死天王が底力を見せるのが「壟義盾行(りょうぎじゅんこう)」です。「壟義盾行」については、ドイツの出版社で児童書の編集を務めたカール・ハインツ・ミュンヒハウゼンが民明書房に移転した後に独立し創立したという、「ミュンヒハウゼン出版」の『心に残る戦国名勝負100選』からの引用記事が掲載されています。川中島の戦いで上杉方の武将・直江兼続が考案した、4人の勇士が自らの身体を盾にして前進して突破口を開くという戦術です。ミュンヒハウゼン出版(ミュンヒハウゼンは「ほら吹き男爵」のことで当然架空)の刊行はこの1冊だけで、『魁!!男塾』での掲載は「壟義盾行」の解説のみとなっています。

●「曙蓬莱新聞社」

「曙蓬莱新聞社(あけぼのほうらいしんぶんしゃ)」は、日本曙蓬莱武術協会の機関誌を出す出版社です。出版物からの引用と理事長・盛田慎之助氏の談話が、解説として掲載されています。盛田慎之介もまた、大河内民明丸の親友で、民明書房の社歌「ああ、我が民明書房」の作曲も盛田によるものです。彼については、髪の毛とヒゲと眉が書き足されているような写真も掲載されています。この写真の人物が誰なのかは、知っている人は笑ってくださいね……というところでしょうか。

 解説が掲載されているのは、中国・宋代に編み出された兄弟ならではの技で、頑丈なロープで人を振り回す荒業「天翔椿(てんしょうちん)」や究極の早撃ちを表す「シックス・オン・ワン」、幼少期より食事に爆火硝石(ばくかしょうせき)などを混入して体内に蓄積し、いざというときに自らが爆弾となる「爆ショウ繋飯(ばくしょうけいはん)」、達人・棒ベン点具(ぼうべんてんぐ)の名前が後にボディ・ペインティングの由来となったという「體透キ(たいとうき)」など、作中でも最高峰のトンデモ解説が並んでいます。ちなみに、「爆ショウ繋飯」については、「『かやくご飯』は修行者たちがごはんに火薬を混ぜたことに由来している」と、断言までしているのがすごいところです。

『魁!!男塾』の民明書房とその他出版社のトンデモ解説は、嘘かどうかはもはや問題ではありません。子供時代に読んで好奇心を刺激され楽しみ、今読み返すときっと別の意味でもっと笑える、まさに時を超えたエンターテインメントと言えるでしょう。

(山田晃子)

【画像】数々のトンデモ技を繰り出した男塾名キャラクターたち(7枚)

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