仮面ライダーの敵組織「ゲルショッカー」結成50年 ドロドロの「内紛」には世相も影響?
仮面ライダーの宿敵として名高いショッカーを滅ぼして誕生した新組織「ゲルショッカー」は、裏切者を絶対に許さない鉄の掟を持つ悪の組織です。そのイメージには当時の世相を揺るがした事件がありました。
恐怖の掟を持つゲルショッカーとは?
本日10月7日は、半世紀前の1972年に『仮面ライダー』第80話「ゲルショッカー出現!仮面ライダー最後の日!!」が放送された日です。このエピソードから仮面ライダーが戦う相手は、宿敵ショッカーから新組織ゲルショッカーに変わりました。
昨今のライダーシリーズでは、作品途中で敵が変わるのが当たり前となっていますが、そのフォーマットはシリーズ第1作『仮面ライダー』で既に行われていたのです。本作の場合、ショッカー首領が自身の組織「ショッカー」を見限る形で、アフリカを拠点とする「ゲルダム団」と合併し、新たに「ゲルショッカー」を結成しました。
このゲルショッカーという名称は語感で付けられたもので特に意味はなく、ゲルダム団という名前も後付けで考えたそうです。当初は「ブラックショッカー」、「ゴーストショッカー」という名称も検討されていました。想像ですが、同じ石ノ森章太郎先生の描いたマンガ『サイボーグ009』に登場する「黒い幽霊団(ブラックゴースト)」とかぶるので変更したのかもしれません。
ゲルショッカーで特徴的なものと言えば、やはり2種類の動植物を合成した怪人にあります。ビジュアル的に見てもショッカー怪人の2倍強いというイメージがあり、たびたび仮面ライダーを窮地に追い詰める作劇で強敵感がありました。
戦闘員もショッカーよりパワーアップしたという設定で、青・赤・黄色の派手なカラーリングになり、初期は変身前の本郷猛や滝和也を苦戦させています。しかし、ゲルパー薬を3時間ごとに服用しないと死ぬという副作用があり、この部分が裏切者を許さないゲルショッカーという組織の恐ろしさを示していました。
このゲルショッカーを指揮するのがブラック将軍。表情を変えずに冷酷な作戦を実行する優秀な指揮官で、敵の裏をかくことを得意としており、何度となく仮面ライダーを罠にはめています。その実力は敵ながら仮面ライダーも認めており、自らをおとりにして作戦を遂行し、最期を迎えた際に「勇敢だった」と敬意を表していました。
この他にもアンチショッカー同盟の戦いで登場した6人のショッカーライダーが存在するなど、ゲルショッカーはショッカー以上の戦力を持った組織という印象を与えています。