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80年代は女性アイドル黄金時代! 「月曜ドラマランド」という名の魔境を振り返る

1980年代のフジテレビには、「月曜ドラマランド」と呼ばれる伝説の90分番組が存在しました。人気マンガやアニメ作品を原作に、アイドルたちを主演に起用した単発ドラマが次々とオンエアされたのです。「学芸会レベル」と酷評されることも多かった「月曜ドラマランド」とアイドルが大いに活躍した1980年代を振り返ります。

表現力を増した元アイドルたち

斉藤由貴さんが自ら歌う、主演ドラマ『スケバン刑事』の主題歌「白い炎」(ポニーキャニオン)
斉藤由貴さんが自ら歌う、主演ドラマ『スケバン刑事』の主題歌「白い炎」(ポニーキャニオン)

 斉藤由貴さん、南野陽子さん、浅香唯さん、『スケバン刑事』(フジテレビ系)に主演した3人が顔をそろえた音楽バラエティー番組『霜降り明星のゴールデン80’s』(BSフジ)をご覧になられたでしょうか。2022年10月9日に放映された第1回に続き、10月16日(日)放映の第2回にも、1985年に歌手デビューを果たした3人がゲスト出演します。

 斉藤由貴さんが「白い炎」、南野陽子さんが「楽園のDoor」、浅香唯さんが「Remember」を歌唱した前回のステージパートは圧巻でした。三者三様でそれぞれ『スケバン刑事』の主題歌を歌い上げたのですが、さまざまな人生経験を経て、表現力や歌唱スキルがアイドル時代よりも大きくアップしていたのです。ドラマ性を感じさせる見事なステージでした。

 3人が青春期を過ごした1980年代は、まさにアイドル黄金時代でした。そして人気アイドルたちが次々と主演したドラマ枠として記憶されているのが、フジテレビの「月曜ドラマランド」です。

 ドラマ界の「番外地」扱いをされていた「月曜ドラマランド」ですが、新聞のラテ欄を眺めるだけで思わず吹き出してしまうユニークな企画が並んでいました。出演するアイドルにとっても、視聴者にとっても一種の「魔境」だった「月曜ドラマランド」を振り返りたいと思います。

今なら炎上騒ぎ? 人気マンガやアニメを単発ドラマ化

 1983年4月にスタートし、1987年11月まで続いた「月曜ドラマランド」は、19時30分から20時54分までの「90分」という時間枠でした。当時はまだ少なかったマンガ原作の実写ドラマ化に果敢に挑戦したことで知られています。斉藤由貴さんは『野球狂の詩』で、水原勇気を演じています。南野陽子さんはSFジュブナイルの傑作『時をかける少女』、浅香唯さんは人気アニメの実写化『一休さん』に主演しました。

 他にも三田寛子さんが主演した『ハーイあっこです』、石川秀美さんと永瀬正敏さんが共演した『新・翔んだカップル』、少女隊が主演した『特別機動少女隊 ホールドアップ!!』』、木村一八さんと横山やすしさんの父子共演作『包丁人味平』など、多彩なラインアップとなっていました。初の実写化となった『ゲゲゲの鬼太郎』には、原作者の水木しげるさんが霊界郵便配達夫として出演していました。

 おニャン子クラブの主演作を思い出す人もいるでしょう。「学芸会レベル」と評されることが多かった「月曜ドラマランド」は、今なら「原作レイプ」などと毎週のように炎上騒ぎになっていたかもしれません。しかし、多くの俳優やスタッフが「月曜ドラマランド」から巣立ったことは確かです。「軽チャー路線」を標榜し、一時代を築いたフジテレビのイケイケぶりを象徴したような番組でした。

【画像】まさにアイドルの時代! 「月曜ドラマランド」の世界が味わえる作品たち(6枚)

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