【シャーマンキング30周年への情熱(74)】再び焦点があたる「500年前のハオ」と麻倉家の先祖の因縁
ハオを倒した麻倉葉賢は一度負けていた!?
まず、500年前のシャーマンファイトは新大陸で行われたと思います。新大陸の発見が世界にとって大きな節目になり、それがグレート・スピリッツの意志によるものだとウランウラン族長は考えていたようなので、開催地として最適だと思えます。
麻倉本家は確実にハオに会うため、シャーマンファイトに参加しようとします。葉賢はハオ討伐のために育てられたといっても過言ではなく、間違いなく優勝候補として出場権を獲得したでしょう。ところが彼は場外戦でハオと最低一度は戦っていながら負けて殺されかけ(この時に試合も辞退か不戦敗している)、その隙にハオがムー大陸に行ってしまいます。筆者がこう考える理由は、TVアニメなどで語られた葉賢の姿にあります。
麻倉葉が地獄で葉賢と出会った時、彼はハオを殺した罪の意識によって地獄に縛られていました。つまり葉賢は、ハオ討伐を心のどこかでためらっていたと考えられます。しかし葉賢とマタムネならハオがムー大陸に行く前に見つけることはできたはずです。ですから筆者は「葉賢とハオは最低一度戦ったが、ためらった葉賢が負けた」と想像したのです。
一方ハオはムー大陸から戻って来なければいけないので、葉賢と戦う以上は確実に殺そうとしたでしょう。それが失敗したのは、葉賢の生命力が強かったのかハオが見逃したのか、そこは想像が難しいところです。
いずれにしろ生き延びた葉賢は、ハオを含む十祭司たちが姿を消したことで絶望します。目的を果たせないままこの地で朽ちるしかないと考えたからです。しかしハオは戻って来た。それを最後のチャンスと捉えた葉賢は覚悟を決めて挑み勝利を収めたものの、それがもとで地獄に縛られることになった……。
もちろんこれが正解かどうかはわかりません。しかしこう思いながら葉と葉賢の地獄でのやりとりを見返すと、より深みが増したように感じられるのでした。皆さんにとってもそうであれば嬉しいことです。
それにしても、ハオにまつわる500年前の回想は、テンプラ騎士団リーダー・トリムの記憶です。つまり十祭司は先代シャーマンキング、フラ・ヤービスの力で蘇生したと思われるのですが、彼は麻倉花に何か願いを託そうとしています。それはいったい何なのか、ページを割いて回想をしっかり描く演出にはどんな意味が込められているのか、次回以降の展開も目が離せません!
それでは今回はこの辺で! 次回もよろしくお願いします!
(タシロハヤト)