完結、アニメ『ダイの大冒険』結末は続編への伏線? 期待される「魔界編」とは
ついにファンの念願だったリメイク版TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』が完結しました。この時を待ち望んでいたファンも多いことと思います。しかし、実は原作マンガ連載当初の予定では、「魔界編」と呼ばれる続編も予定されていました。
ダイが行方不明のまま完結した理由は、次回作への伏線だった
ついに2022年10月22日放送の第100話「さらば!愛する地上よ」で完結を迎えた、TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』。長いようで短くも感じた2年間でした。
「週刊少年ジャンプ」連載時から追いかけていたファンには、念願の完全TVアニメ化だったと思います。そして、今回のTVアニメ化から『ダイの大冒険』を見始めた人は、最初に発表された丘の上に刺さった「ダイの剣」のイラストのキービジュアルの意味がようやく分かったことでしょう。そして、あのキービジュアルを見た時の、往年のファンの気持ちも理解できたことと思います。
しかし、一部では「納得いかない」という人もいることでしょう。なぜなら完全なハッピーエンドと言うには主人公であるダイの行方不明をはじめ、いくつかの謎が残っているからです。それはなぜか? ……実は連載時、この後に「魔界編」と呼ばれるシリーズが考えられていたからでした。
この「魔界編」については後に書籍にて原作者である三条陸先生がいくつか語っているので、そのコメントを交えてご紹介していきましょう。
『ダイの大冒険』は人気作品だったゆえに、大魔王バーンを倒した後も連載を続ける予定がありました。そのため、次回シリーズへの伏線がいくつか散りばめられていたわけです。しかし人気の面でなく、休みなく週刊連載を続けてきたマンガ担当の稲田浩司先生の体力の面を考慮して、マンガ連載ではバーンとの戦いで作品は完結となりました。
そのため、いくつかの伏線が未回収で終わってしまいました。まるで打ち切り終了にも思える最後となりましたが、作品としてはキレイに完結した作品というわけです。もっとも、「魔界編」はまったく幻の作品になったのかというと、そうではないと思っている人も多いことでしょう。なぜなら三条先生がコメントした「魔界編」の構想は、第二部と呼ぶにふさわしい期待感のあるものだったからです。
「魔界編」の物語はバーンとの戦いから5年後。舞台はタイトル通り、魔界での戦いとなる予定でした。以降は筆者の考察を交えながら「魔界編」について解説していきます。