アニメ『ルパン三世』の始まり「第1シリーズ」 最高視聴率を達成した意外な経緯とは?
1971年10月24日は、TVアニメ『ルパン三世』TV第1シリーズの放送が開まった日です。初の大人向けアニメを目指した作品でしたが低視聴率にあえぎ監督が降板。演出として高畑勲氏と宮崎駿氏が参加し低年齢向けへと移行し、本放送は26話予定から全23話に短縮されたものの再放送で人気を獲得、後のシリーズへと続く礎となりました。
当初は大人向けアニメを目指していた

1971年10月24日は、TVアニメ『ルパン三世』TV第1シリーズの放送が開始された日です。全23話。モンキー・パンチ先生が「漫画アクション」で連載したマンガを原作とし、当時は子供向けとされていたアニメにハードボイルドな大人の雰囲気を持ち込んだ野心的な作品として企画されました。
令和の時代にも新作が製作され続けている人気シリーズ「ルパン三世」の記念すべき第1シリーズを、子供のころに再放送で見たことがある方も大勢いらっしゃるでしょう。筆者もチャーリー・コーセイ氏が伸びる声で歌い上げる主題歌「ルパン三世1ST」の「ルパ~ン ルパ~ン」の声をよく覚えています。
なお、全23話と当時としては短い話数の作品でしたが、オープニングは3曲使用されており、1話から4話までが「ルパン三世1ST」、4話から15話までが「AFRO “LUPIN ’68″」、16話から23話までは「ルパン三世主題歌3」(「ルパン三世その3」)が使用されています。
1曲目と2曲目はともにチャーリー・コーセイ氏が歌唱を担当しており、3曲目もJASRACにはチャーリー氏で登録されていましたが、2001年にラテン歌手のよしろう・広石氏が歌っていたことが判明しました。「ルパン三世主題歌3」は番組放送当時にはレコードも発売されておらず、番組でのクレジット表示もされていなかったのでこのような誤解が生じたようです。現代ではまず起こらない話でしょう。
さて、第1シリーズが放送された1971年は、まだアニメが子供のものとされていた時代でした。そのような状況下、モンキー・パンチ先生のハードボイルド作品をアニメ化するにはさまざまな苦労があったようです。
最初のアニメ化企画はとん挫し、その後に現在は『ドラえもん』などを製作しているシンエイ動画の前身であるAプロダクションが企画を開始、1969年にパイロットフィルムが完成していますが、それからしばらく動きが止まります。なお、次元大介役の小林清志氏はパイロットフィルムから『風魔一族の陰謀』を除き『ルパン三世 Part6』のエピソード0で勇退するまで50年以上にわたって声の出演を続けられました。