「ダイロス」ファンたちが熱中するスピンオフ『勇者アバンと獄炎の魔王』 本編で明かされなかった謎
アニメ放送の終了で、ファンから「ダイロス」と言われる喪失感が問題となっている『ダイの大冒険』。しかし、一部のファンの間にはスピンオフ作品である、マンガによる外伝が希望の光となっているようです。
過去のエピソードで紐解くことができる『ダイの大冒険』の謎の数々

2022年10月22日、2年近くにも及ぶ放送を終えたTVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』。放送終了直後からファンの間では、「ダイロス」と呼ばれる喪失感があるそうです。そのためか、もうひとつの『ダイの大冒険』の今後の展開に期待を寄せるファンも多いと聞きました。
もうひとつの『ダイの大冒険』とは、月刊雑誌「Vジャンプ」で連載されているマンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王』というスピンオフ作品です。原作は本伝と同じく三条陸先生、マンガは芝田優作先生。タイトルからお気付きと思いますが、アバンがまだ勇者だった頃、魔王だったハドラーとの戦いが描かれた作品です。
『ダイの大冒険』でも、たびたびアバンが勇者としてハドラーと戦っていた時代が回想されていましたが、そのすべてが明かされたわけではありません。いくつかの謎めいた部分もありました。その明かされなかったエピソードをひとつの物語として発表したのが、スピンオフ作品である本作『勇者アバンと獄炎の魔王』です。
『ダイの大冒険』では何でもできるような天才ぶりを見せていたアバンですが、本作では才能はあるもののまだ完全に開花する前の状態。いわゆる冒険に旅立った直後からの、レベル上げにいそしむアバンの活躍が見られる作品となっています。
このアバンを助けるパーティーメンバーのひとりが、カール王国の騎士団長だった戦士「ロカ」。後にダイを助けるパーティーメンバーとなったマァムの父親になる人です。アバンのパーティーメンバーで唯一『ダイの大冒険』に出ていないことから、その理由が本作で明かされることになることでしょう。
同じくアバンのパーティーに加わったのが僧侶「レイラ」です。『ダイの大冒険』でも登場したのでご存じの人も多いでしょうがマァムの母親。本作を見ていると、マァムは髪の色や性格など父親似の部分が多いことが分かります。レイラはマァムのように気の強いところもありますが、どちらかというと控えめな性格で、他者へのあしらい方もうまいしたたかな面がありました。
このレイラが本作で明かしたもうひとつの姿が、「影女」と言われた女盗賊の姿で、くのいちを思わせるスタイルが特徴的な姿です。僧侶は武器を使えないというしきたりのため、この姿になった時だけはナイフを両手持ちで戦っています。この点は武闘家マァムを彷彿とするスタイルでしょうか。
そして、『ダイの大冒険』でも活躍していたマトリフを加えた4人が、基本的なこの時代のアバンのパーティーメンバーです。『ダイの大冒険』でも描かれていたハドラーに対して「凍れる時間の秘法」をアバンが使った際は、マァムを身ごもっていたレイラとロカを気遣ってパーティーから外し、その代わりに「拳聖」と謳われたブロキーナをメンバーに加えていました。