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「一度は断っていた」声優たちの当たり役 「奇跡のマッチング」が起きなかった可能性も!?

『エヴァ』のシンジくんの声も危機一髪だった!

●勝手に断られていたゆえに…『新世紀エヴァンゲリオン』緒方恵美

『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、エヴァ)で主人公・碇シンジを演じた緒方恵美さんの場合は、自分ではなく事務所が勝手に断っていた、というケースです。

 緒方さんがその事実を知ったのは、別の番組の旅行で、庵野秀明監督と偶然一緒になったからでした。緒方さんは、当時『エヴァ』TVシリーズの準備段階だった庵野監督から「緒方さんに主役オーディションを受けてほしかったのに断られた、その理由を教えてほしい」と詰め寄られたのだそうです。緒方さんにとっては寝耳に水の話でした。

 なぜ事務所は勝手に断っていたのでしょう? 実は当時、緒方さんは週にアニメ9本。ラジオ3本を抱え、休日にはイベントをこなすという超多忙なスケジュール。しかも『エヴァ』はTVではなくOVA企画としてオファーが来ていたため、見送ろうという判断だったのだそうです。しかし緒方さんは、監督自らが望んでくれる役者冥利に尽きる役を断るなんてと、事務所に猛抗議。普段はおとなしい緒方さんの剣幕に事務所も折れ、再び行われたオーディションに参加することができ、見事に碇シンジ役を射止めたのだそうです。

●「あるもの」を断って役をゲット…『名探偵コナン』岩居由希子

映画のポスタービジュアルでも常連の少年探偵団。画像は劇場版『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』 (C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
映画のポスタービジュアルでも常連の少年探偵団。画像は劇場版『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』 (C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 最後は、少々違う「断り話」。『名探偵コナン』で少年探偵団の一員、吉田歩美役の岩居由希子さんは、役を断ったわけではなく、意外なものを断ったおかげで役を手にしました。

 当時、声優にはなったものの思うような活躍ができず、いっそ声優をやめようかとも思っていたという岩居さん。深夜アニメの最終回ゲストに呼ばれ、打ち上げの3次会まで出た際にタクシー代として1万円を渡されたのですが、岩居さんは「この1万円は要りません! 次の仕事に呼んでください!」と言ったのだそうです。そう、岩居さんが断ったのは「タクシー代」。この出来事がきっかけで『名探偵コナン』のオーディションに呼ばれ、代表作となる吉田歩美役に出会えたのだそうです。

 一度は断ったものの、結果的に演じることになりハマり役になるとは……アニメの神様の粋な采配なのかもしれませんね。

(古屋啓子)

【画像】「声優交代」に賛否両論あったアニメ(7枚)

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