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アニメでは再現不可能「あり!?」なマンガの表現 ギリギリすぎて「ジャンプ」で賛否両論も

コマ割り、吹き出しのバリエーションなど、マンガの「形」に関する技法は成熟しきったようにも思えますが……まだまだ斬新な表現が誕生しているようです。最近の人気マンガから、インパクト抜群の演出をご紹介します。

アニメでは再現不可能! 「マンガならでは」の斬新な表現

TVアニメが話題の『チェンソーマン』は原作マンガ、連載中の第二部も改めて読んでみたい (C)藤本タツキ/集英社・MAPPA
TVアニメが話題の『チェンソーマン』は原作マンガ、連載中の第二部も改めて読んでみたい (C)藤本タツキ/集英社・MAPPA

 鳥獣戯画や北斎漫画の時代を経て、今なお国民的な娯楽のひとつであり続けるマンガ。進化の過程で、コマ割りに緩急をつける、吹き出しやフォントの種類で声色を表す……など、数々の表現方法が誕生し、定着してきました。すっかり確立されたようにも思えますが、まだまだオリジナリティあふれる演出に挑戦している作品が多々あります。この記事では、最近の人気マンガに用いられた斬新な表現を、いくつかピックアップして紹介していきます。

※本記事は、『チェンソーマン』についてアニメ未公開部分のネタバレを含みます。

●『映像研には手を出すな!』吹き出しにパース

 最初は、女子高生3人組がアニメ制作へと乗り出す青春冒険マンガ『映像研には手を出すな!』(著:大童澄瞳/小学館)。本作では、「吹き出しにパースをつける」、という独特な手法がたびたび用いられています。

 この表現がよく出てくるのは、3人が「冒険」をしている場面。背景に併せて吹き出しが斜めになっているため、画面のなかでパースを邪魔する要素がなくなり、より臨場感が高まります。

 作者・大童澄瞳先生のインタビュー記事によると、「吹き出しが大きいと空間が把握できなくなってレイアウトも崩れちゃうので、それだったらセリフにパースをつければいい」という考え方なのだそうです。

 他にも本作では、実写のようにピントを再現して描くコマがあるなど、映像を意識したような表現が多数。演出方法自体が、作品のテーマとも合致した作品となっています。

●『チェンソーマン』呪いの悪魔の攻撃

 TVアニメも絶賛放送中の『チェンソーマン』(著:藤本タツキ/集英社)。こちらも演出に定評があるマンガです。印象的なシーンのひとつが、早川アキが契約している「呪いの悪魔」の力を用いて攻撃する場面です。

 釘の形をした刀で戦うアキが「打て!」と掛け声を上げると、悪魔の手が「コマの枠外」から刀をはじくのです。コマを使ったマンガならではの表現で、この世の外から力が働いている、ということが伝わってくる演出となっています。

 他にも、窓枠がそのままコマになっていたり、飛んだ生首がコマ割りとなっていたり……と、コマで遊ぶ演出がたびたび登場します。アニメで興味を持った方は、マンガでも読んでみてはいかがでしょうか。

【画像】アニメと原作マンガ、表現を「比較」したい作品(4枚)

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