【漫画】町長選挙に当選したのは、おばけ!? 公約を守るため、奮闘した結末に「涙腺崩壊」
町長選挙で町長に選ばれたのはおばけのパットでした。異例の事態ではありましたが、パットのかわいさから町民から次第に受け入れられて……。絵本のようなやわらかいタッチが印象的な作者のミヤギトオルさんにお話を聞きました。
やわらかい絵のタッチと温かみのあるストーリーに感動!
町長選挙で町長に選ばれたのは、なんとおばけであるパット。はじめは戸惑う町民でしたが、パットのかわいらしい容姿もあり、次第に受け入れられるようになっていきました。パットは選挙で掲げた公約を守るため、町民とともに活動を広げていきますが……。
ミヤギトオルさん(@mitume333)が『町長選挙で選ばれたのはパットという名のおばけだった』として公開された創作マンガ『おばけ町長』がTwitter上で話題を集めています。いいね数は1.4万を超えており、読者からは「朝から涙腺崩壊した」「心が温かくなった」「前町長さん、いい人かと思ったのに……」という声があがっています。
作者のミヤギトオルさんにお話を聞きました。
ーーミヤギトオルさんがマンガを描き始めたきっかけや、漫画家としてのデビューの経緯を教えて下さい。
30歳頃にTwitterで4コママンガを描き始めたのがきっかけです。それまでアニメーションやイラストを制作していたのですが、SNSで発表しても思うような反応が得られず、悩んでいました。そんな時にTwitterで4コママンガが流行っているのを見て、4コマだったらマンガを描けるかなと思い、制作してみました。
描き上げたものをTwitterで発表してみると、すぐに反応が得られ、うれしくなってしばらくは4コママンガばかりを描いていました。でき上がった4コマはよくあるギャグ系のものではなく、少しショートショートっぽい雰囲気を持った変な4コママンガで、「物語断片集」という名前をつけて発表していました。
描き始めてしばらくして、なんとかマンガで仕事がしたいと思い、当時勤めていた会社に出勤する電車の中で、毎日営業メールを出版社やWebメディアに送っていたら、とあるWebメディアから4コママンガの連載の仕事をいただきました。それが初仕事です。それからは出版社やSNSでの連載の仕事など、ときどきいただけるようになりました。
ーー『町長選挙で選ばれたのはパットという名のおばけだった』のお話が生まれたきっかけは何ですか?
『不思議ヶ丘の人々』という連載(ミライのアイデア/白夜書房)のひとつの話として制作したものです。ソファに座ってマンガのネタを考えていたのですが、目の前に、おばけの『キャスパー』のTシャツが干してあり、それを見ていたらマンガの冒頭の文章が思いつき、それをもとにマンガを描いていきました。
最近の政治のニュースや、「生前の記憶をなくしたおばけ」という、温めていたネタなど、いろんな要素が組み合わさってできました。
ーー『オバケ町長』は、絵本のようなやわらかいタッチが印象的です。作品を描くうえで気を付けた点はありますか?
突飛な設定なので、どういう風に展開させていくか悩みましたが、前町長のキャラクターが固まってからはうまく描けました。絵柄の話で言うと、この「不思議ヶ丘の人々」という連載は、他のマンガに比べて、あまりマンガっぽくない、どちらかというと絵本ぽいタッチにしています。コマ割りなどで劇的に見せず、淡々と進んでいく、不思議なお話、というようなイメージです。最初に4コマを描き始めた時の雰囲気に近いと思います。
ーー多くの読者から「泣いた」という感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
おばけのパットがかわいいという声や、牛島が意外と優しくて好きという、キャラクターを気に入ってもらえた感想がうれしかったです。登場人物が皆優しく、ハッピーエンドで良かったという感想もいただきましたが、実は最後のページに不穏な要素をいろいろと描いています。
ーー今後、発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
現在、この『不思議ヶ丘の人々』(ミライのアイデア/白夜書房)と商店街にすみつく妖怪たちを描いた『鬼姫神社通り商店街』(ダ・ヴィンチweb/KADOKAWA)の2本の連載マンガを描いています。当分はこの連載をやりきることが目標です。
30歳を過ぎてからマンガを描き始めたので、常に試行錯誤しながらの執筆ですが、ヒット作を目指して描き続けていこうと思っています。
(マグミクス編集部)