初期の勢い失った『ウマ娘』の現在 決算資料から見える「新たな段階」とは
アプリやアニメが高い人気を誇る『ウマ娘 プリティーダービー』の、TVアニメ第3期の制作が発表されました。アプリのリリース当初は毎月のように売り上げ100億円越えを達成した『ウマ娘』は、現状の売り上げこそ下がったものの、長期的に親しまれるIPとしての地位を、確実に固めている状況です。
TVアニメ3期の制作が発表
2022年11月6日に開催されたライブ「ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! EXTRA STAGE」において、新作となるTVアニメ第3期の制作が発表されました。2018年に放送された第1期ではスペシャルウィークが日本総大将へと至る過程が丹念に描かれ、2021年の第2期ではライバル同士であるトウカイテイオーとメジロマックイーンがともに怪我に苦しみながらも復活してゆく物語が展開されました。
アニメ3期はおそらく、2期のラストでトレセン学園に入学し、特番でその生活ぶりが描かれたキタサンブラックとサトノダイヤモンドを中心とした物語になると思いますが、今のところ正確な情報はまだ公開されてはおりません。放送される日を楽しみに待とうと思います。
さて、アニメやライブなども大人気ではありますが、『ウマ娘』の軸となるのはCygamesが展開するスマートフォン向けアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』であることに間違いありません。
2016年にプロジェクトの始動が発表された後、アニメやコミカライズの展開は行われ、ライブも開催されてはいたもののなかなか情報が出てこない時期が続きましたが、2021年2月に無事リリースにこぎつけました。オープニング映像でスペシャルウィークやトウカイテイオー、メジロマックイーンたちウマ娘が声を合わせ、「やっとみんな会えたねー!」と声を張り上げるシーンは、製作陣の心の声が聞こえてくるような力強さに満ちていました。
リリース当初、時間をかけて練り上げられた『ウマ娘』は爆発的な人気となり、話題が沸騰。売り上げも莫大なものとなり、Cygamesの親会社であるサイバーエージェントが2021年10月に発表した2021年度の連結売上高は6,664億円と、前年比39.3%の増収を達成し、過去最高値を大きく更新しました。連結営業利益は1,043億円で前年比208.1%の増益となり、『ウマ娘』が主力となり業績をけん引したことも合わせて発表されました。