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ゲームの「難易度」、開発者はどうやって調整している? 想像以上に奥深い世界

私たちプレイヤーにとって、ゲームの難易度はそのゲームを楽しめるかどうかに関わる大きな問題です。簡単過ぎても難しすぎても「つまらない」と感じてしまうものです。それでは、難易度とはいったいどのようにして調整されているのでしょうか? 実はとても奥深いものであり、簡単に説明しきれるものではないのですが、その一端を紹介します。

難易度調整はゲームの「心臓部」

ビデオゲームを遊ぶシーンのイメージ(画像:写真AC)
ビデオゲームを遊ぶシーンのイメージ(画像:写真AC)

 ゲームには、その内容やジャンルを問わず「難易度」が存在します。自分には難しくても他の人が難なくクリアしていたりすると、いったい何を基準に難易度を決めているのか気になりますが、実はこの調整はとても奥深いものです。ゲームの心臓部といっても過言ではありません。

 何しろプレイヤーは「簡単にしろ」「難しくしろ」と言いますが、それはそのプレイヤーの技量にとってという話ですから個人差があり、誰にとっても敵が弱ければ(強ければ)それでいいというものでもありません。では、ゲーム制作においてこれらをどのように調整していくのか、少しだけ紐解いてみたいと思います。

 まず難易度を決めるのは誰か? ですが、開発会社の担当者です。こう書くと「開発者はゲームの全てを知っているし、何度もテストしているんだから上手いに決まっている。そんな人が調整したら難易度が爆上がりするのではないか」と思うことでしょう。確かにこの人が自分の技量を基準にしたらそうなりかねません。言うなれば、それが難易度調整で一番悪い結果です。言い切るのも乱暴ですが、否定できないことです。

 こうならないために必要なのは、客観的な基準です。それはさまざまありますが、まずは制作初期に設定する「ターゲット」です。このゲームは幼児向けなのか、あまりゲームをしない人向けなのか、ハードゲーマー向けなのかといったものです。

 これはゲームの内容に直結することなので、企画書が作られる段階から明記されています。対象年齢、性別まで決まっていますし、理由も明確です。そして難易度はその人たちが「それなりに難しかったけど頑張ったらクリアできた」と感じる程度を目指します。これなら、基準がハッキリしているので考えやすくなりますね。

 次はこの「感じる程度」を具体的にしていきます。

 これを考える上では、ターゲットプレイヤーの能力をある程度分解する必要があります。例えば「知識」と「慣れ」は重要な能力要素です。ですから開発者はそのゲームが上手いと言えるのです。他に忘れてはいけないのが、プレイヤーが元々持っている「技量」です。アクションゲームが好きでもコントローラーさばきに優れているとは限りません。細かく見れば他にもありそうですが、大体この3項目が鍵といえるでしょう。

 では、実際にいくつかのゲームジャンルに当てはめて考えてみます。

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