『ワンピース』最大の謎? 海賊王ロジャー「最期のひと言」を海軍が止めなかったワケ
『ONE PIECE』は伝説の海賊、ゴール・D・ロジャーが放ったひと言によって、大海賊時代を迎えたのが物語の発端です。逆にいえば、そのひと言さえなければ大海賊時代は始まらなかったのに、なぜ海軍はみすみす言わせてしまったのでしょうか。先日ネット上ではその理由の考察が話題となり、さまざまな意見が飛び出しました。
ロジャーのひと言がなければ大海賊時代も始まらなかった?
「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ…… 探してみろ この世の全てをそこに置いてきた」――。この台詞は『ONE PIECE』第1話冒頭、伝説の海賊ゴール・D・ロジャーが処刑される前に放ったひと言です。この言葉をきっかけに多くの人びとが海へと駆り立てられ、世は「大海賊時代」を迎えました。つまりゴール・D・ロジャーが残したひと言から、『ONE PIECE』の壮大な物語が始まっていくのです。
彼の言葉なくして大海賊時代は始まらなかった、といっても過言ではありませんが、ここでひとつ大きな疑問が……。第506話で、レイリーがロジャーの死に際を振り返った際、「世界政府も海軍も驚いたろう…、他の海賊達への『見せしめ』の為の公開処刑の場が、ロジャーの死に際のたった一言で『大海賊時代』の幕開けの式典へと一変したのだからな…!!」と語っているように、ロジャーの処刑を公開した理由はやはり「見せしめ」のためだったと考えるのが自然ですが、ならばなぜ当時の海軍たちは、死ぬ間際のロジャーのひと言を許してしまったのでしょうか。ネット上ではその理由の考察が盛り上がり、さまざまな意見が飛び出しました。
たとえばそのなかのひとつが、「海賊が増えた方が海軍の予算がとれるから、あえて言わせた」という説です。海軍の仕事は、言わずもがな海の治安維持であり、海賊が増えればそれだけ海軍の仕事も増えるため、海軍の景気もきっと良くなることでしょう。だからこそあえてロジャーに最期の言葉を言わせたのではないか、と考える人もいます。
一方では「海賊王の醜態を晒すつもりが、財宝の話になってしまったのではないか」という意見も。そもそも『ONE PIECE』第99話にてモンキー・D・ルフィが処刑されかけた時、海軍のひとりが「どんな虚勢をはった大物でも 死の瞬間は必ず青ざめ 絶望に死ぬものです」と主張しています。したがって、当時の海軍が「処刑前は誰もが絶望する。ロジャーもきっと例外ではない」と思って、大勢の見物人の前で海賊王のみっともない姿を晒し、海賊全体の権威を落とそうとしていたとしても不思議ではありません。途中でロジャーの発言をさえぎって処刑、ということもできたかもしれませんが、処刑台には海兵ふたりしかいなかったため、それが難しかった可能性もあります。
他にも「そりゃあ海軍だって『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』が何なのか気になるだろ」「普通に海軍も海賊王が最期に何て言うか気になっていたんじゃない?」「処刑前って大体辞世の句を残すものでは? 何も言わせずに無慈悲に処刑したら、海賊たちだけじゃなくて庶民からも非難される可能性あるし」「病気にかかっていることが分かって同情したんじゃないか」「死ぬ前にロジャーの息子を頼むと言われたガープの気遣いでは」などと、思い思いの意見があがっていました。
ロジャーはクルーたちと解散してから1年後、突如海軍に自首しており、処刑の場で財宝について話すために捕まったことは間違いないでしょう。ロジャー側の思惑は明らかですが、はたしてさまざまな謎が明かされる最終章で、海軍がロジャーの発言を許してしまった「失態」の理由も判明するのでしょうか。
(マグミクス編集部)