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2022秋アニメ・作画&ストーリーも良すぎ3作 超大作に隠れ「全然話題にならないの哀しい」

「超豊作」と話題の2022年の秋アニメですが、有名作品以外にも見逃せない良作が目白押しなのをご存じですか? 有名作品を追うだけで精一杯という方にも、少し頑張ってでも見ていただきたい、良作画&良展開の作品があります。この記事では、超大作に隠れているものの、作画もストーリーもよい2022秋アニメを、3作品ご紹介します。

見ないと損! ずっと神作画&めちゃくちゃ面白いダークホース秋アニメ

『SPY×FAMILY(第2クール)』に『チェンソーマン』、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』と、注目の超大作が集中している2022年の秋アニメ。しかし、豊作なのは超大作だけではありません。大作たちの陰に隠れなければ、きっと話題になっていたであろう良作がいくつもあります。この記事では、超大作に隠れているものの、作画もストーリーもよい2022秋アニメを、3作品ご紹介します。SNSでも「すごく面白いのに全然話題にならないの悲しい」「心が一生痛い」と評判です。

●『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』 (C)Beijing HMCH Anime Co.,Ltd
『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』 (C)Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 素直で元気な黒ネコの妖精・シャオヘイ(CV:花澤香菜)は、人間が森を開発したことにより、居場所を失ってしまいました。ある日は肉まん、ある日は魚と、人間の食べ物を盗んでなんとか生きていたシャオヘイ。人間に追いかけられ、間一髪のところで、青年の姿をした妖精・フーシー(CV:櫻井孝宏)に助けられます。

 フーシーが案内してくれたのは、人里から遠く離れたとある島でした。緑豊かなその島は人間から忘れ去られた土地で、フーシーは仲間の妖精たちと隠れて暮らしていたのでした。彼らに温かく迎えられ、喜ぶシャオヘイ。しかし、「最強の執行人」と恐れられるムゲン(CV:宮野真守)が、突如フーシーを捕らえに来て――?

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』は、同名の中国アニメ映画(原作:MTJJ・寒木春華スタジオ)を全5話に分割し、TVアニメとして放送した作品です。映画版は、中国国内で興行収入 3.15億元(49億円)を記録。日本でも一時期劇場公開され、高い評価を得た結果、拡大公開されました。

 見た人からは「ハイクオリティすぎてひっくり返った」「中国アニメの本気が感じられた」と話題の本作。かわいらしい画風ですが、その作画力の高さには目を見張るものがあります。特に、ジブリ映画をほうふつとさせる美しい背景や、ダイナミックな戦闘シーンは、一見の価値ありです。

 また、声優陣が豪華なのも見どころのひとつ。フーシーの仲間の妖精であるロジュとテンフーは、それぞれ松岡禎丞さん、杉田智和さんが演じています。6歳のシャオヘイのまるまるとしたかわいらしさや、たびたび出てくるおいしそうな食事シーンにも注目です。

 なお、映画版は3部作が予定されているとのこと。全5話ということで、他の秋アニメより一足先に完結しているので、「完結してから見たい」という方にもおすすめです。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『不滅のあなたへ Season2』

『不滅のあなたへ Season2』 (C)今良時・講談社/NHK・NEP
『不滅のあなたへ Season2』 (C)今良時・講談社/NHK・NEP

 地上に投げ込まれた不死身の「球」、フシ(CV:川島零士)。人との出会いを通して、人間のように成長したフシでしたが、人びととの別れを重ねた結果、「もう誰にも会わない」と決めていたのでした。

 とある島でフシはひとり生活をはじめ、40年が経とうとしていたある日。ヤノメ国の少女・ヒサメ(CV:楠木ともり)がフシの前に訪れます。ヒサメは、かつてフシを手に入れようとしてきた、ハヤセ(CV:斎賀みつき)の孫だったのです。再び人を襲いだしたノッカーから人びとを守るため、フシはヒサメとともに、次の目的地へ向かいますが――?

『不滅のあなたへ Season2』は、同名マンガ(作:大今良時/講談社)を原作としたアニメの第2期です。原作の累計発行部数は、300万部を突破。2016年の第43回講談社漫画賞で少年部門を受賞している、人気作品です。ノミネート作品のなかから、世界中のアニメファンの投票で受賞作が決まる「クランチロール・アニメアワード2022」では、第1期がベスト・ドラマ賞を受賞しています。

 第1期から数えて、約40年後の話が描かれている本作。心を閉ざし、一度人との関わりを断ったフシでしたが、今度はノッカーと「戦う」というよりも、人びとを「守る」旅へと出発します。しかし、「ひとりで皆を守ることはできない」と気付いたフシは、再度悩み、試行錯誤することに。

 カニになってさまざまな海の生物を学習したり、モグラになって敵から隠れたりと、本作でもさまざまな変身を見せるフシ。しかしフシを助ける変身能力は皮肉にも、それまで関わった人や動物の死(刺激)によって、その選択肢を増やしていきます。

 さらに、フシひとりの能力だけでは、ノッカーから全ての人を守ることは不可能です。果てしなく続くノッカーとの戦いに対抗するため、悲しい思いをすると分かっていて再度人と関わろうとするフシ。第1期に続き、フシの成長に切なくも感動を覚える作品です。独特ながらも見応えのある美しい作画もお楽しみ下さい。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「Netflix」などで見ることができます。

●『ぼっち・ざ・ろっく』

『ぼっち・ざ・ろっく』 (C)はまじあき/芳文社・アニプレックス
『ぼっち・ざ・ろっく』 (C)はまじあき/芳文社・アニプレックス

 陰キャで人見知りの後藤ひとり(CV:青山吉能)は、友達のいない「ぼっちちゃん」。中学時代には部活にも入らず、放課後は即帰宅する毎日。「このままでいいんだろうか」と思ったひとりは、陰キャでも輝けそうなギターの練習を始めることに。

 しかし、1日6時間の練習を重ね、「弾いてみた動画」をネットにアップする日々を送っていたら、ひとりはあっという間に高校生になってしまいます。いまだに友達ができず、公園のブランコで落ち込んでいたひとりは、高校2年生でドラムをやっている伊地知虹夏(いぢち・にじか/CV:鈴代紗弓)に話しかけられて――?

『ぼっち・ざ・ろっく』は、同名の4コママンガ(作:はまじあき/芳文社)を原作としたアニメです。原作は、「次にくるマンガ大賞2019」のコミックス部門で8位にランクイン。作画を担当するのは、『SPY×FAMILY』『その着せ替え人形は恋をする』を手掛けたアニメ制作会社「CloverWorks」です。

「陰キャでぼっち」といいつつ、なんだかんだモテてしまう主人公はよく見かけますが、ひとりはなかなかに重度な陰キャぶりを見せます。「遠足のお昼は先生と食べていた」「スマホに届くメッセージは親からかクーポンだけ」など、その「ぼっち」っぷりは淡々と描かれるからこそ、胸に迫ります。

 虹夏と話すようになってからも、ことあるごとに周りと自分を比べて落ち込んだり、「無理だ」と絶望したりするひとり。流れるように飛び出す「陰キャあるある」に、共感できる人ほど胸が痛みますが、震えながらも少しずつ成長していくひとりを、つい応援したくなる作品です。

 キャラクターの作画はかわいらしいものの、街の風景やライブハウスの内装など、背景の美麗さはかなりのもの。そして迫力あるライブシーンでは、ひとりたちの緊張や躍動感がよく伝わってきます。「ぼっち」時代があった方、『けいおん!』が好きだった方はぜひ。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」などで見ることができます。

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 放送時期がずれてさえいれば、覇権争いに食い込んでいたのでは……と思いたくなる良作たち。豊作すぎて、すでに見切れない作品も出てきそうな2022秋アニメですが、気になる作品があった方は、ぜひ1話だけでもご覧下さい。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

(新美友那)

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