【漫画】たった1人生きる女性に、ロボット「君を殺しにやって来た」 理由が切なすぎる
人を殺すため、生み出されたロボット・アルスが出会ったのは、不死身で100年以上生き続ける女性でした。彼女の話を聞いたアルスは「死ぬ方法がある」と言って……。「月刊スピリッツ」にて連載中の『スカライティ』の作者・日々曜さんにお話を聞きました。
目頭が熱くなった、ロボットの優しいウソが切ない
人をたくさん殺すために生み出されたロボット・アルス。彼が目を覚ますと、そこは植物に囲まれた部屋。アルスはそこに住む女性・ガビと出会います。アルスの使命を聞き、彼女は少し悲しそうに「不死身になってしまったから、死ぬこともできない」と話します。しかし、アルスは「死ぬ方法がある」と告げて……。
日々曜さん(@YouHivi)がTwitter上に「心優しいロボットが、人類を滅ぼす話」として投稿された、「月刊スピリッツ」にて連載中の創作マンガ『スカライティ』が話題を集めています。いいね数は2.1万を超えており、読者からは「切ない」「深々と心に突き刺さる」「目頭が熱くなった」という声があがっています。
作者の日々曜さんにお話を聞きました。
ーー日々曜さんがマンガを描き始めたきっかけや、漫画家デビューに至った経緯を教えて下さい。
最初にマンガを描き始めたのは23、4歳のときだったかと思います。もともとマンガ自体はずっと好きだったのですが、一次創作限定の誰でも参加できる同人誌即売会を知り、そこでマンガを描き始めました。それから2年後くらいに、商業誌の漫画賞で賞をいただき、半年後くらいに「スピリッツ40周年連載確約漫画賞」(小学館)という賞をいただいて、今の作品の連載に至りました。
ーー『スカライティ』のお話が生まれたきっかけは何ですか?
急死してしまった友人や、死に直面するような状況の人が身の回りで増えてきた時期があり、それが強く影響していたかと思います。その際に「人はどうしても、いつかは死んでしまうんだな」という感情から「だったら、人間はどのように死んでゆくべきなのだろうか?」と深く考えるようになりました。そういったテーマを根底に持った作品だと思っています。
ーーゆるく描かれたキャラと、切ないストーリーのギャップに「『スカライティ』でしか体感できない世界観だ」という声もあがっています。作品を描くうえで気を付けた点はありますか?
登場するキャラクターは次々と死に向かいますし、「不老不死」という設定や「殺す」といった物騒なワードもひんぱんに登場します。しかしながら、この作品での本質はそこではない場所にあると思うので、グロテスクな表現などはできる限り描写しないように心がけています。また、実際の人間が死ぬときは、かなり静かに死んでいくことが多いなと思っているので、そういった雰囲気を作品でも表現できるように心がけています。
ーー「人生について考えさせられた」など、ストーリーをたたえる声が多く寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
多くの読者の方に自分と同じような気持ちを持ってもらえたようで、それが驚きであり、またうれしくも思いました。自分と同じような気持ちを読者の方と共有できることは、とても幸せなことだと気づけたことが印象に残っています。
ーー2022年10月28日に発売された『スカライティ』第1集についてご紹介ください。
第1集では主人公の「アルス」が毎話ごとに、さまざまな価値観や人生観を持ったキャラクターの死に立ち会っていきます。アルスと一緒に、人が死ぬことについて考えてくださればな、と思っています。
ーー今後、発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
今後の作品については正直、何も考えておりません。いまの作品に全力を尽くしたいです!
(マグミクス編集部)