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『水星の魔女』でも? 物語の分岐点となった、21世紀『ガンダム』衝撃トラウマシーン

多くの『ガンダム』で見られてきた衝撃の展開の数々。それは時には劇中のキャラクターだけでなく、視聴者の心を引き裂くような悲劇を見せることもあります。過去の『ガンダム』であった凄惨な悲劇を振り返ってみましょう。

大切な人を失ったことで、憎しみの連鎖が始まった

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』 (C)創通・サンライズ・MBS
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』 (C)創通・サンライズ・MBS

 現在、好評放送中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。重苦しいシリアスさと軽快でクスッとさせる要素が交互にあって、その硬軟バランスの良い作風が人気の理由とも言われています。しかし過去の『ガンダム』では、それまでの空気感を激変させる悲劇的展開が、何度か見られてきました。

 物語の基本はよく「起承転結」と言われていますが、この「転」の部分でストーリーを動かすイベントが行われることが一般的です。物語がどのように転がるか、決定づける要素と言えるかもしれません。これまでの『ガンダム』でも物語の転機と言える部分は多々ありましたが、なぜか目を覆うような悲劇的な展開が目につきました。過去作の『ガンダム』からそういった部分を紹介していきましょう。

 しかし『ガンダム』では悲劇的な展開があまりに多いので、今回は21世紀以降に製作された作品からチョイスしました。

※この記事には『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダム 00』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のキャラクターの生死、物語の核心に関わる描写があります。

 まずは21世紀初の『ガンダム』だった『機動戦士ガンダムSEED』です。新世紀初の『ガンダム』作品ということで意欲的な作品だったため、作画レベルが高い作品でした。しかし、それゆえに本来なら省略してもいいかな? と思う凄惨な描写も再現されており、そのことは当時からファンの間でも問題になっています。

 ストーリーの方向性を左右した悲劇的展開というと、主人公であるキラ・ヤマトと親友だったアスラン・ザラの最後の直接対決となったシーンは忘れられません。

 それまで戦いのなかであっても、互いにちゅうちょすることが多かったキラとアスラン。この状況が一変したのが、アスランの僚友であったニコル・アマルフィの死でした。それもアスランを助けようとしたニコルを、キラが撃破してしまったのです。このことがキラとアスランの運命を大きく変えました。

 そして今度は、ニコルの死により憎悪を燃やすアスランの手により、キラの目の前で友人だったトール・ケーニヒが命を落とします。これによりキラとアスランは共にSEED状態に覚醒して、互いの憎しみをぶつけ合いました。

 その戦いの決着は、アスランが自分の機体・イージスを自爆させて、キラごと搭乗機のストライクを撃破するというものになります。この事態によりキラはMIA(作戦行動中行方不明)と認定されました。そしてアスランはストライク撃破の功績でネビュラ勲章を受勲、特務隊 (FAITH) へ栄転となります。

 この一連の戦いはかなりハードに描かれており、前述したニコルとトールの死亡シーンはかなり克明に描写され、当時視聴していたファンの多くは衝撃を受けました。しかし、中盤でこの戦いがあったからこそ、終盤へのカタルシスある展開へと結びつけられたとも考えられます。

 もちろん、キラはこの時に死亡しておらず、救出されて後半の主役機となるフリーダムで仲間の窮地に駆けつけるという名シーンにつながっていました。そして、アスランもこの戦いがきっかけで戦争について考えを新たにし、後半からキラと共に戦うことになります。

 ちなみにニコルとトールの死の衝撃は大きかったことからか、ゲーム『スーパーロボット大戦W』ではふたり同時に生存する救済ルートがありました。やはり多くの人が生存を望んでいたのでしょう。

【画像】すでに『水星の魔女』でもトラウマ? 悲劇のキャラ(5枚)

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