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ファミコン屈指のクソゲー『タッチ』 「つまらない」だけならマシ、原作ファン激怒の理由とは

「甲子園へ連れてって」とか無視!

ゲームにも登場する、達也・和也・南が描かれた『タッチ』コミック第1巻の背表紙(小学館)
ゲームにも登場する、達也・和也・南が描かれた『タッチ』コミック第1巻の背表紙(小学館)

●クソゲーポイント3:『タッチ』じゃなくてもいい

 いろんな建物に突入し鍵などのアイテムをゲットしつつ、なんとか謎を解いてボスのアジトにたどり着きます。でも広いアジトのどこにボスがいるのかヒントがないので見つかりません。ようやく発見したボスは怖そうなモンスターとかじゃありません。大きな人形とか猫とか戦車とか、特別なボス感がありません。ボスを倒して子犬を救出。次へ向かいます。

 ……早い段階でみんな同じことを思います。「このゲーム、『タッチ』じゃなくてもよくね?」。原作は野球・ラブコメといったジャンルですが、武器として野球のボールを投げる以外に野球要素はありません。例えば、「敵と対戦して三振を取れ!」、「ケンカの助っ人に原田君登場!」みたいなお遊びでもあればアクセントになりますが、何もなしです。このゲームは『タッチ』というビッグネームを借りただけと言われてもしょうがない内容でした。

 さらにファンから反感を買った要素がありました。ゲーム冒頭に入力すると最強データからスタートできる裏パスワードが3つありました。それがちょっとひどくて……

たつや:みなみにHしてしまいました
かずや:みなみにHしてしまいました
みなみ:TATUYAとHしてしまいました

 このパスワードが原作者・あだち充先生の怒りを買ったとも言われ、以降あだち先生原作のマンガからゲームになった作品はひとつもありません。このデリカシーのないパスワードこそ「クソ」に値するというファンもいます。

●広告から漂っていたクソゲー臭

 実は、発売前の広告をよく見ると違和感はありました。ゲーム中の画面の写真が10枚以上貼られていて内容の説明もありました。しかし、そこには野球をする画などひとつもありません。これを見ていれば原作の世界観と異質であることに気づけたかもしれませんが、それにしても首をかしげたくなるゲームでした。当時、筆者の友達が『タッチ』を読破して感動し、ゲームの予備情報を一切遮断して期待度MAXで挑みましたが、数日後「ソフト代の5000円返してほしい」と泣いていました。現在では、あまりにもクソゲー過ぎて名品という皮肉な声もあるほどです。

(石原久稔)

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