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ファンは諦めない? ヒット作描くも「実写化」がない漫画家4選

数々のヒット作を世に送り出している漫画家の作品は、アニメ化や実写化など、映像化される機会が多いです。しかし、自作のアニメ化や舞台化はあれど、ドラマや映画などの実写化はない……という漫画家も、もちろん存在しています。今回は、そんな4人の漫画家を、代表作とともにご紹介します。

実写化を難しくする、さまざまな理由とは?

井上雄彦先生原作・脚本・監督で2022年12月3日公開予定の映画『THE FIRST SLAM DUNK』ポスタービジュアル (C)I.T.PLANNING,INC. (C)2022 SLAM DUNK Film Partners
井上雄彦先生原作・脚本・監督で2022年12月3日公開予定の映画『THE FIRST SLAM DUNK』ポスタービジュアル (C)I.T.PLANNING,INC. (C)2022 SLAM DUNK Film Partners

 多くの人気作がアニメ化、ゲーム化、舞台化、そして「実写化」されるマンガ業界ですが、3作以上の連載をヒットさせながらも、いまだ実写化作品がない漫画家も存在しています。今回は、そんな漫画家を代表作とともにご紹介しながら、実写化を難しくしている理由は何か、考察します。

●『SLAM DUNK』の井上雄彦

 代表作に『SLAM DUNK』『リアル』『バガボンド』などがある井上雄彦先生は、スポーツや戦いを通して成長していく青年たちの姿を描き、数々の熱い物語を生み出してきました。2022年12月3日からは、自ら監督を務める新作劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』が公開され、大ヒットスタートを切っています。

 前述した『SLAM DUNK』は、「週刊少年ジャンプ」で連載された原作はもちろん、1993年から1996年にかけて放送されたTVアニメシリーズもヒットし、根強い人気を誇っています。他にも、スポーツ専門CS放送局「スポーツ・アイ ESPN」(現・J SPORTS)のサイト上にて公開された『BUZZER BEATER』は、当時珍しかったウェブコミックとして話題になり、2005年にWOWOWで、2007年に地上波でアニメ化されました。

 その人気ゆえに何度も映像化されてきた井上作品ですが、未だ実写化だけはされたことはありません。『バガボンド』の原作に当たる小説『宮本武蔵』(著:吉川英治)は何度も映像化されていますし、『リアル』は深夜ドラマ枠などで実写化されてもおかしくなさそうな内容です。

 しかし、劇場アニメ化において、監督・脚本・キャラクターデザインまで担当する井上先生のこだわりを考えると、実写化の話が上がったとしても、ご自身が関わる可能性があります。同じように自分で映画を撮った漫画家といえば、『AKIRA』などで知られる大友克洋先生が、劇場アニメを監督したのちに『蟲師』(自作ではありませんが)で実写映画の監督を務めた前例もあり、井上先生が実写作品を撮る未来も考えられます。

 現在、映画『SLAM DUNK』の内容に期待が高まっていますが、今回の井上先生の挑戦が、マンガの映像化という観点で新たな道を作り出す可能性もあるでしょう。

●『FAIRY TAIL』の真島ヒロ

 2022年6月、デビュー25周年を記念してYouTubeチャンネルを設立したことで話題になった真島ヒロ先生も、実写化作品がまだない漫画家のひとりです。代表作の『RAVE』や『FAIRY TAIL』、連載中の『EDENS ZERO』もアニメ化されており、『FAIRY TAIL』に関しては舞台化されていますが、映像としての実写化はありません。

 真島先生の作品といえば、ファンタジーな世界観における冒険譚、バトルアクションが多く、長期連載になるにつれてシリアスな展開が繰り広げられる傾向にあります。似たジャンルとしてダークファンタジーで考えてみると、『鋼の錬金術師』(原作:荒川弘)や『進撃の巨人』(原作:諫山創)といった人気タイトルが実写化されていますが、特殊な世界設定や激しい戦闘シーンに加え、主要キャラクターの多くが日本人ではないという点で、実写化に苦戦するジャンルなのは間違いないでしょう。

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