『ガンダム0080』シリーズ屈指の衝撃ラスト! 小説版は「原作改変」で結末違う?
宇宙世紀シリーズのガンダム作品の特徴に、歴史年表からさまざまな事件の詳細な日時がわかることがあります。ファンには記念日として楽しむ人もいますが、クリスマスだけは不幸な出来事を思い起こす人がいました。
トラウマ思い出すガンダムファン
宇宙世紀を舞台にしたガンダム作品の特徴のひとつに、細かい歴史年表が設定されていることがあります。これにより、実際の日時に合わせて楽しむファンも少なくありません。
たとえば、「一年戦争」終結となるア・バオア・クーでの戦いが12月31日で、終戦協定が結ばれたのが1月1日だったことから、年末年始を終戦記念日と位置付ける人もいました。
また、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の戦いが10月13日から11月13日ということから、この期間に『0083』を観るファンもいるという話もよく聞きます。
この際に劇中の名場面に合わせてMSのフィギュアを飾る人もいるようで、さながらひな祭りや端午の節句で人形を飾るように、季節を楽しむガンダムファンも少なくありません。ある意味で日本の風習と『ガンダム』のコラボレーションと言うべきでしょうか。
しかし楽しんでいるばかりでなく、時には悲しみを思い出す時期もありました。たとえば世の中の人のほとんどが楽しみと喜びにあふれているクリスマスシーズン。この時期が来るたび、悲劇的な物語を思い出すガンダムファンもいました。そのガンダム作品が『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』です。
『0080』は、それまで『ガンダム』を手がけてきた富野由悠季監督が制作に関わらなかったはじめての作品で、TVや劇場ではなくOVAで進行した初の作品でした。そのため、それまでの『ガンダム』から見ると異色の作品で、時系列も「一年戦争」時代に戻っています。
この他にも主役と呼べるキャラが3人もいることが特徴的でした。そのポジションから推測すると、従来の主人公の役割を三分割したと考えられます。戦争に巻き込まれた民間人の少年「アルフレッド・イズルハ(アル)」。窮地のなかで選択を迫られる青年「バーナード・ワイズマン(バーニィ)」。ガンダムのパイロットである「クリスチーナ・マッケンジー(クリス)」。それぞれが自分の置かれた状況を必死に生き抜く姿がこの作品の見どころです。
ちなみに3人の主人公の頭文字は、アルファベットのA、B、Cになっていました。このことからアルが主人公とする意見が多いのですが、バーニィやクリスも主人公足りえる存在で、3人の主人公による群像劇と考えたほうがしっくりくるでしょう。
この『0080』の何がクリスマスを暗くしてしまうのか、その理由は物語終盤の展開にありました。
※以下には『0080』のクライマックスに関わる説明があります。閲覧する場合はネタバレにご注意ください。