『ワンピース』ルフィは「戦闘狂」ってホント? 「似たキャラ扱い」されがちな孫悟空との違い
『ワンピース』の主人公であるルフィはしばしば「戦闘狂」の疑いがかけられています。実際、クロコダイル戦では2回瀕死になりながら3回目で勝利。格上の敵に致命傷を与えられても、何度でも勝負を挑むスタイルは勇敢を通り越して「狂気」を感じるファンも少なくないはず。そこで気になるのが、ジャンプ作品屈指の戦闘狂の代表格である『ドラゴンボール』の孫悟空と比べるとどうでしょうか。今回はふたりの戦闘スタイルや、戦闘に対する価値観を比較しました。
そもそもルフィは戦闘狂なのか? 孫悟空との明らかな違いとは
ルフィと孫悟空は一見すると共通点の多いキャラクターです。両者とも「少年マンガ主人公」としては理想的なキャラであり、明るく素直で前向きな性格なのは、よく似ているのではないでしょうか。一方、戦闘に関する考え方は根本的に違うようです。今回はふたりの「戦い方の特徴」と「戦闘に対する価値観」を比較してルフィがどの程度の戦闘狂なのかを考察します。
●クレバーな戦術を使うルフィとパワー重視の悟空
ルフィの戦い方の特徴は、ゴムの体を活かしたトリッキーな技が多いことです。攻撃型の技だけでなく、「ゴムゴムの網」などの捕獲技や、「ゴムゴムの盾」などの防御技も使えます。これらを戦況に応じて使い分けるのが基本的な戦術です。
普段のルフィは楽観的で能天気ですが、戦闘に関しては非常に器用でクレバーだと言えるでしょう。特に初期のルフィはファンから「性格が変わり過ぎでは?」と噂されるほど冷静な雰囲気でした。戦闘以外でも「物事の核心を突く」ような発言を何度もしています。
物語が進むにつれて、ルフィのポップで明るい部分が強調されるようになりましたが、戦術面は進化を続けています。「ギア」を自分で編み出したことを鑑みると、発想力も豊かだと想像できます。
そのようなルフィと比較すると、悟空の戦い方はシンプルです。基本的には身体能力を極限まで高めることで、規格外のパワーとスピードを生み出します。セル戦で見せた「瞬間移動かめはめ波」や、少年期の「残像拳」などは相手の意表を突く技ですが、使用頻度は高くありません。
『ドラゴンボール』の世界では、銀河系ごと破壊するような戦士が多いため、戦術面の工夫より身体能力を伸ばす方が得策なのではないでしょうか。
●ルフィの戦闘はあくまで「手段」であり、悟空ほど戦闘狂ではない
ルフィの夢は海賊王になることであり、戦闘が目的ではありません。結果的に数々の強敵を倒してきましたが、必ずしも望んで戦っているわけではないというのが根本にあるのではないでしょうか。カタクリやカイドウとの戦闘では楽しそうな場面もありましたが、基本的には冒険や宴などに喜びを感じる性格です。
つまりルフィにとっての戦闘は、夢の実現や仲間を守るために必要な「手段」だと言えるでしょう。レイリーの過酷な修行で強さを求めたのも、シャボンディ諸島で仲間を守れなかった自身の弱さを払拭するためです。
一方、悟空は「強い相手を見つけて闘うこと」が趣味であり、戦闘自体が目的です。強い相手と戦えるならば、敵に塩を送るような行為も厭わないことがあります。例えばサイヤ人来襲の際に、仲間を皆殺しにしようとしたベジータを見逃したり、敵であるセルに仙豆を与えたりするなど、戦闘へのこだわりは人一倍です。
仲間の死に激しい怒りを覚えるなど優しく仲間思いな部分もありますが、随所に戦闘民族の本能が垣間見えます。危うい行動はありながらも、最終的には地球を救ってしまうのが悟空の凄さでしょう。
ルフィは悟空ほどの戦闘狂ではなさそうですが、物語の終盤に向けてさらに成長し、今後も派手な戦闘を繰り広げてくれるのではないでしょうか。
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