劇場版『シティーハンター』がBS放映 「すけべ」と「もっこり」は違うもの?
スゴ腕のスイーパー(始末屋)、冴羽リョウと槇村香のコンビが活躍するTVアニメ『シティーハンター』の劇場版が、BS12にて2週連続で放映されます。原作連載が始まった1980年代の軽快な街の雰囲気を伝える『シティーハンター』ですが、冴羽リョウの代名詞とも言える「もっこり」発言はセクハラになるのかを考えてみたいと思います。
世界中で愛されるキャラ・冴羽リョウ
北条司氏の人気マンガ『シティーハンター』は、1987年にTVアニメシリーズが始まり、大人気を博しました。新宿をホームグランドにした街の始末屋・冴羽リョウとその相棒・槇村香の活躍を描いたハードボイルドコメディとして、多くの人に愛され続けています。
海外でも高い人気を誇り、ジャッキー・チェンが主演した香港映画版『シティーハンター』(1993年)、原作の世界観をとてもリスペクトしたフランス映画版『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019年)として実写化もされています。冴羽リョウは世界中で愛されているキャラクターであることが分かります。
BS12では、2022年12月11日(日)の19時より「日曜アニメ劇場」にて、『シティーハンター 愛と宿命のマグナム』(1989年)を放映します。記念すべき劇場アニメ版の第1弾であり、元傭兵である海坊主や警視庁の刑事・野上冴子ら人気キャラクターたちも続々と登場します。
冷戦を背景とした、1980年代の新宿が舞台
冴羽リョウの今回の案件は、来日した国際的ピアニスト・ニーナの父親探しです。無類の女好きなリョウは、美女ニーナの依頼を喜んで引き受けます。
ニーナの生まれた西ガリエラ国は、隣国・東ガリエラ国との間で冷戦状態が続いています。ニーナとリョウ、そして香は、両国間の諜報戦に巻き込まれるのでした。「赤い死神」と恐れられる東ガリエラ国の情報部大佐・ヨハンとリョウは対決することになります。
新宿駅の東口には手書きの伝言板が設置されており、まだ携帯電話やインターネットなどが普及していない時代だったことを感じさせます。また、ドイツを東西に分断していた「ベルリンの壁」が崩壊したのは1989年11月になります。劇場公開された1989年6月はまだ東西冷戦が続いている状況でした。そんな1980年代という時代を背景にして、物語は進んでいきます。
TVアニメ開始30周年を記念した『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』(2019年)では、劇中でスマホが使われるようになり、新宿・歌舞伎町の景観もずいぶんと変わります。『シティーハンター 愛と宿命のマグナム』を観て、バブルが弾ける直前の街の雰囲気を懐かしく感じる人もいるのではないでしょうか。