【漫画】空いたクッキー缶、捨てる? 懐かしいおばあちゃんの裁縫箱に「大切なこと思い出した」
おやつに出した缶のクッキーを見て、子供の頃のことを思い出した女性。おばあちゃんはクッキー缶を裁縫箱にしていて……。Twitterで公開された安野いもこさんのエッセイマンガが、便利な時代に大切なことを思い出させてくれます。
クッキー缶に何を入れよう? ワクワク感に「懐かしい」
おいもさんはおやつに出した缶のクッキーを見て、子供の頃のことを思い出していました。おばあちゃんに出してもらった、いただきものの缶のクッキーにわくわくしたこと。そしておばあちゃんがクッキー缶を裁縫箱にしていたこと。それはそれは年季が入った裁縫箱で……。
安野いもこさん(@dosukoi_oimosan)によるエッセイマンガ『捨てるというのはやっぱり心苦しいから、大切に使える方法を考える話』がTwitterで公開されました。本作は単行本『おいもさんの捨てない生活』からの一編。今は何でもすぐに買えてしまう便利な世の中ですが、おばあちゃんの裁縫箱が、忘れかけた「物を大切に使う」心を思い出させてくれます。
読者からは「クッキー缶ってワクワクする」「かわいい空き缶あると何かに使いたくなるよね」「僕らの子供時代の原風景なんだと思う」「一家に複数個ある、あの缶を脳内で再生している」「何か大切なこと思い出した気がする」「久しぶりに缶のクッキー買いたくなった」などの声があがり、Twitter投稿は1.1万いいねの反響が集まっています。
作者の安野いもこさんに、お話を聞きました。
ーー安野いもこさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
30代に差し掛かる頃、手紙を書くのが趣味で友人たちに学級新聞のような、自分の近況を書いた新聞を手作りして送っていた時期がありました。最初は文章にイラストを添える程度だったのですが、それがだんだんとマンガのようなものを描くようになったのがきっかけです。
新聞に描いたちょっとしたマンガが友人たちの間で評判になり「もっと読みたい!」「次の新聞が楽しみ」なんて褒めてくれるので、まんまと調子に乗っちゃいました。
ーー『捨てるというのはやっぱり心苦しいから、大切に使える方法を考える話』のエピソードをマンガに描こうと思ったきっかけを教えて下さい。
私の子供の頃とは違って、最近では大概の物はお金を出せば買える時代になりました。ちょっとした日用品であれば100円ショップやネットで手軽に買えて、ダメになったらすぐに買い替えられて便利な世の中です。それは忙しい私にとって、とってもありがたいことです。でも生活の質は上がって豊かになったはずなのに、なぜかどこか心苦しい……。
「私が子供の頃ってこうじゃなかったよな……」という思いから、便利になった一方で物を買い替えるサイクルがぐーんと短くなった今、改めて「物との付き合い方」を考えようと思って描きました。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声があれば教えて下さい。
「懐かしい」「私のお母さんもおばあちゃんも空き缶を裁縫箱にしていました」といった感想をいただいて、やっぱり空き缶を裁縫箱にするのはあるあるなんだなぁと思いました。
ほかにも「私は宝物入れにしていました」とか「お母さんがケーキの型として再利用していました」といった声もいただいて、皆さんそれぞれに缶の思い出があることが印象深かったです。缶って長く残る物だから、思い出やエピソードもいっしょに残っているんだなぁ……と何だか温かい気持ちにさせていただきました。
あとは「実家にずっとある、あの缶はいったい何が入ってるんだろう……」ってコメントをいただいたんですが、確かに実家にひとつは「開かずのカンカン」ってあるよな……って。そして、あの実家の缶はいったい何が入ってるんだろうってめちゃくちゃ気になっちゃいました(笑)。
ーー本作も含まれた単行本『おいもさんの捨てない生活』が発売中です。収録内容や見どころなどをご紹介いただけますか?
裁縫やお手入れが苦手な人でもチャレンジしやすいアイデアや、なかなか物を捨てられない人へのヒントになるようなお話を詰め込みました。私のように捨てるのがちょっと苦手で、お手入れや細々した細かい作業が好きな方に読んでいただきたいです。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
毎日を過ごすなかで、うっかりすると見過ごしてしまいそうな、ささいなことだけどキラリと光る何かをすくってマンガにしていけたらと思います。
(マグミクス編集部)