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今も議論が白熱? 『めぞん一刻』の響子さんは「面倒」なのか「デレ」で許されるのか

『うる星やつら』に並ぶ高橋留美子先生の名作『めぞん一刻』。主人公の音無響子と五代裕作の恋愛模様が描かれました。響子さんは美人であるものの、嫉妬深くやきもちやきです。この「嫉妬」は美人という評価を覆い隠すほど過激な場合も。今回は響子さんは「面倒な女性」なのか? それとも「かわいげのある女性」なのか? を考察します。

響子さんは「面倒臭い女性」なのか「かわいげのある女性」なのか?

響子さんは五代の部屋で毎夜のように行われる宴会にも参加する付き合いの良さが。画像は「『めぞん一刻』 TV シリーズ スペシャルプライス版 」Blu-ray(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)
響子さんは五代の部屋で毎夜のように行われる宴会にも参加する付き合いの良さが。画像は「『めぞん一刻』 TV シリーズ スペシャルプライス版 」Blu-ray(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 高橋留美子先生の代表作のひとつ『めぞん一刻』は文句なく傑作ですが、メインヒロインであり、舞台となる一刻館の管理人である音無響子さんの人格については、長きにわたり議論の対象になっています。主人公の五代裕作やライバルの三鷹瞬に対する響子さんの態度は「面倒」なのか? かわいい一面の「デレ」で水に流せる魅力的な女性なのか? 両面にわけて考えてみたいと思います。

●苦学生「五代裕作」と金持ち「三鷹瞬」を天秤にかける

 前夫と死別し「操(みさお)をたてる」ため恋愛に消極的な響子さん。一方で物語序盤、五代の告白でその好意を知ります。また、三鷹瞬からも好意を寄せられることで、この3人の恋模様がスタートします。

 三鷹は、イケメンかつ大人の魅力で、車で響子さんの送り迎えやデートに誘うなどのアピールをします。さらに犬嫌いも克服するなど、愛犬を大切にする響子さんのために努力を惜しまない人物でした。そんな三鷹の好意を響子さんは享受していきます。ただ、早い段階で響子さんは五代に好意をもっていたことを後に明かしているため、響子さんはその意図はなくとも、三鷹は完全に「かませ」になっていたことになります。

●好意を示していないのにあからさまな「嫉妬」

 響子さんについてもっとも議論の的になるのが、「嫉妬」や「やきもち」です。特に好意を告げた五代の女性がらみに「嫉妬」を露わにします。

 五代がバイトの同僚・七尾こずえと2人きりで歩いているのを見て響子さんはむかっ腹。そして、こずえの手編みのセーターを見て嫉妬し、五代に対し「もう絶対やきもち妬いたりしません」と突き放したりします。また、五代がこずえにプロポーズしたと勘違いし問答無用でビンタするなど、交際しているわけでも響子さんの気持ちを伝えているわけでもないのに嫉妬を繰り返します。

 さらに五代が教育実習で出会った高校生の八神いぶきにつきまとわれると、響子さんは苛立ちを募らせ、2人きりになると邪魔をします。いぶきが「五代のことが好きなのか?」と尋ねても響子さんはうやむやに返答、挙句「五代さんは私のことが好きなんです」と、まさかの「好かれマウント」をとりました。また、いぶきは「好きじゃないふりして愛されようなんてムシのいい話だわ」と指摘しています。

 このような厄介な性格について一刻館の住人である六本木朱美も冷や水をぶっかけています。五代と朱美がホテルに行った疑惑が噴出すると、響子さんは癇癪(かんしゃく)をおこします。すると朱美は「ろくに手も握らせない男のことで泣くわわめくわ」「あんたみたいな面倒くさい女から男とるほど物好きじゃないわよ」と五代の潔白とあわせて響子の面倒くささを指摘しました。

●嫉妬からバイオレンスに発展?

 おしとやかに見える響子さんですが、五代のデリカシーの無さにビンタなどの制裁を加えることが幾度となくありました。

 響子さんが屋根から落ちそうになった際、過失で胸を触った五代にビンタ。保育士の試験前日に飲酒した五代にビンタ。シリアスな空気に乗じて五代がキスしようとしてきてビンタなど、響子さんは「わりと手が早い」というのも多くの読者の印象に残っているのではないでしょうか。

【画像】神々しい美しさ!『めぞん一刻』音無響子さんの白無垢姿(7枚)

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